モーグルW杯ディアバレー大会両日(1日目遠藤2位)

ディアバレー大会、その前にブラボースキーコラムのチェック
五輪までいよいよあと一ヶ月を切っているのだけど、五輪代表枠選考について、ブラボースキーコラムから知ることができる。ちょっとチェックを怠っていたので、12月の情報だけど。

12月22日、SAJは平昌五輪代表の第一次内定選手12名を発表した。ところがそのなかにモーグル選手の名前はなかった……。といっても、モーグルに内定者がいない理由は男子と女子では180度違う。
男子の理由は「選びきれないから」。
五輪の代表枠最大4に対し、男子はこれまでSAJが定めた上記五輪派遣推薦基準(?8位以内の成績を1回以上 ?10位以内の成績を2回以上 ?12位以内の成績を3回以上/対象は釻17季、釻18季のW杯、釻17世界選手権)をクリアした選手が、堀島行真、遠藤尚西伸幸原大智、四方元幾と5名いた。そして、第2戦タイウー大会で、新たに藤木豪心が自身初となるW杯一桁順位(5位)を果たし、これに加わったのだ。基準クリア6選手のうち2名は確実に代表から漏れることになる。このサバイバルレース、ますます目が話せない状況となった。
一方、女子の理由は「基準をクリアした選手がいないから」。
伊藤みきが第3戦で12位に入ったのが今のところ日本女子の最高位。彼女は昨季、1度12位になっているため、「12位以内3回以上」にリーチをかけたが、他選手は厳しい状況が続いている。
予想外の展開が続くW杯序盤戦 激烈さを増す日本チーム男子の生存競争

五輪代表枠争いの面で特に目を離せないのが、総合順位20位以内に6選手がいるアメリカ女子だ。そのうち、現在総合2位のジャエリン・カーフを筆頭に6名のうち5名が表彰台経験者であり、誰が代表に選ばれてもおかしくないのだ。自国のディアバレー大会では最大4の枠を巡って厳しい戦いを展開することになる。
厳しい戦いが続くのは日本女子もしかり。カルガリー大会で、住吉輝紗良が自身2度目となる決勝進出を果たすという明るい話題もあったが、彼女を含め全選手が五輪派遣推薦基準クリアには至らず。残る3度のチャンスをなんとしてもものにしてもらいたい。
絶対王者は連勝記録をまた更新!4戦目で上位陣がようやく出揃う

日本代表選手について、男子が好調で女子がここまで不調になってしまったの、隔世の感はある。
アメリカの代表選手枠争奪は、あまりよく知らないけど、選手層が厚い国だけにいつも熾烈というイメージがある。

ディアバレー大会1日目

女子

1 LAFFONT Perrine 1998 FRA
2 KAUF Jaelin 1996 USA
3 SCHILD Morgan 1997 USA
4 MCCARGO Keaton 1995 USA
5 ANTHONY Jakara 1998 AUS
6 NAUDE Andi 1996 CAN
https://data.fis-ski.com/dynamic/results.html?sector=FS&raceid=10403

開幕当初は、女子の金メダルはコックスが堅いと思っていたのだが、中盤まできてこの予想が甘かったことを思い知らされる。
コックスが金メダル候補の一人であることは変わらないけど、「最有力」から「候補の一人」の修正は余儀なくされた。今季のカーフの強さ、そしてラフォンも順調に順位を上げてきていることが挙げられる。
また、総合成績はそこまでではないものの、ジャスティンの動向も気になる。五輪にきっかりあわせてくる可能性は捨てきれない。

男子

1 KINGSBURY Mikael 1992 CAN
2 ENDO Sho 1990 JPN
3 WILSON Bradley 1992 USA
4 CAVET Benjamin 1994 FRA
5 ANDRINGA Casey 1995 USA
6 REIKHERD Dmitriy 1989 KAZ
https://data.fis-ski.com/dynamic/results.html?sector=FS&raceid=10404

遠藤が2位!
近くて遠い表彰台だったけど、五輪前に乗れたのは幸先がよいのでは。
ミックを筆頭に、表彰台常連はバックダブルフルだのダブルコーク1080だのぶん回す選手が目立つ中、遠藤は、バックフルとセブンツー(グラブ)とDD(難易度)の低いエアなのでやや気になっていたのだが、完成度が高いためか、エア点は必ずしも悪くないし、スピード点とターン点たたき出せば、戦えるのかなという感じがした。
ほとんどの選手が25秒台のなか24秒台で速いし(スーパーファイナル進出者の中では、4位のカヴェが一番速かったけど)。
韓国のチェ・ジェウは予選1位突破。これ、twitterでたまたま見かけてたので、「ついに来るか」と思ったのだけど、ファイナルでDNFだった模様
レイヒャルドもスーパーファイナルでDNFだったみたいで、予選突破組から2人DNFってなかなか難コースだったのかなあ、と。
ブラボースキーのコラムにも書いてあったけど、カザフスタンのレイヒャルド、韓国のチェ、そして日本の遠藤、堀島、西、原あたりはみな予選突破の可能性が十分にあるので、平昌五輪は、アジア旋風が巻き起こるかもしれない。
ミックという蓋が重すぎるけどな……。

ディアバレー大会2日目

女子

1 KAUF Jaelin 1996 USA
2 LAFFONT Perrine 1998 FRA
3 SCHILD Morgan 1997 USA
4 COX Britteny 1994 AUS
5 NAUDE Andi 1996 CAN
6 PERTAKHIYA Marika 1992 RUS

カウフやばい、滑りに迫力がある
リザルト細かく見てみると、エア点もターン点もラフォンがわずかに上回っていて、スピード点で勝ったみたい
確かに、ラフォンよりカウフの方がストックワーク荒い感じはある
そして、伊藤みき13位っ……あと1回、12位以上がとれれば五輪代表基準を上回るのだけど、惜しい……
五輪前のW杯は、あと一回、20日にトレンブラン大会を残すのみ

男子

Amazing Kingsbury remains perfect in Deer Valley | Highlights - YouTube

1 KINGSBURY Mikael 1992 CAN
2 REIKHERD Dmitriy 1989 KAZ
3 GRAHAM Matt 1994 AUS
4 HORISHIMA Ikuma 1997 JPN
5 ENDO Sho 1990 JPN
6 THEOCHARIS Sacha 1990 FRA
https://data.fis-ski.com/dynamic/results.html?sector=FS&raceid=10406

マット・グラハムもグラハムらしい攻めた滑りだが、レイヒャルドが前日の雪辱を晴らすかのようにアグレッシヴさをみせて、ミックがそれに負けじと攻め返した感じの勝負だった。
いやしかし、リザルト見てみると、スーパーファイナル6人の中だとグラハムだけが25秒台で、他の5人は全員24秒台になっている。前日は、24秒台出したの遠藤とカヴェだけだったのに。
ターン点はミックの圧勝
で、堀島と遠藤がぴったりと後ろについている。確かに表彰台には乗れなかったが、悪くない。
韓国のチェは9位、四方も予選突破して10位に。