小倉涌個展 二月革命


6年ぶりの個展
以前は、マッカーサーがテーマでしたが、今回はロシア


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皆殺しの天使
青い肌で描かれた少年たちが、黙示録のラッパを吹き鳴らしている
後ろの壁には、白黒になったマレーヴィチの作品がかけられている


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阿呆女たちの舟
タイトルをメモるのを忘れたので、こういうタイトルだったと思うのだけど、微妙に違うかも
大きな赤い機械が目立つ。
エイゼンシュテインの作品で、農機具か何かのこういう回転する機械がモンタージュされるカットがあったような記憶がうっすらとあるのだけど、これってそれだろうか
と思ったけど、これ第三インターナショナル塔か
また、その手前にある棒に、消印のようなスタンプがいくつも描かれている。天津や上海、またロシア語のものがある。
このスタンプが面白い効果になっているように思う。
手前にいてこちらを見ている女性、狼、サングラスをかけている女性なども気にかかる
でもって、左上には双頭の鷲も描かれている。
これ見ていたときは、「ハプスブルク?」って思ってたんだけど、ググってみたらロシア帝国も使ってた


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ODDESSA
本展の目玉といえる大作
戦艦ポチョムキン』におけるオデッサの階段シーンをもとにした作品だが、まず一見して、大勢の人々とネズミが駆け下りていくその迫力に圧倒される
奥に見える戦艦ポチョムキンと思われる艦船は、ダズル迷彩で描かれている(ポチョムキンは実際はダズル迷彩ではなかったはず)
このダズル模様は、「皆殺しの天使」の床の市松模様とも呼応しているだろう。
甲板には、つがいの動物たちが無数にいて、ノアの箱舟にもなっていたりする
また、この階段はなんとエスカレーターとして描かれている
実はこのエスカレーターは、自分とも関係があったりして

僕が小倉さんと知り合ったきっかけというのが、この『筑波批評2009夏』の表紙を描いてもらったことでした。
同じく『筑波批評』同人の塚田くんが、「次の号の表紙は小倉さんという人に頼もうと思っている」と言ってきて、当時、小倉さんとのやりとりは全部塚田くんがやっていたわけですが、以下のような素晴らしい表紙を作っていただけました。
yow.hatenadiary.jp
これがまあ、エスカレーターでオデッサの階段であったわけで、あのときのあれが、こんな大作へとつながるなんて「すげぇ」って

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こちら、タイトル失念
艦砲を正面から描いていて、それを取り囲むように様々な女性。そしてそれらが、第三インターナショナル塔の中にある、ということか


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すみません。こちらもタイトル失念。
凛々しい狼が目をひくけれど、背景のマレーヴィチもきになる
このマレーヴィチ、壁にかかっているだけでなく、直方体がすーっと光線のように伸びて空間に広がっている。描かれている空間自体が抽象的な世界と化しているかのような。