【告知】『ユリイカ2016年9月臨時増刊号』にアイドルアニメ論、寄稿しました

8月12日に発売されることとなった『ユリイカ』のアイドルアニメ特集に、
「アイドルは音楽である 「芸能人はカードが命」と「SEVENTH HAVEN」から」
という文章を書かせていただきました。
まさか、アイドルアニメ論でユリイカデビューすることになるとは、思いも寄りませんでしたが、自分らしい展開とも言えるかもしれませんw


サブタイトルにあげた2つの曲を中心に取り上げながら、二次元アイドルにおけるメディアや物語についての論です。
「芸能人はカードが命」とは、『アイカツ!』において「穏やかじゃない」と並ぶ有名な台詞ですが、一方で、ステージ衣装への変身シーンで流れているあのBGMの曲名でもあります。
アイカツ!』における「変身」の意味を、メディアミックスないしメディアのハイブリディティとして論じています。
一方、「SEVENTH HAVEN」は『Tokyo 7th シスターズナナシス)』内のユニット、セブンスシスターズの新曲です。
ぶっちゃけた話、ナナシスは、アイドル「アニメ」ではないですw
しかし! 現在のアイドルアニメを語る上で、狭義のアニメ作品だけに限るべき理由があるでしょうか。アイマスだってラブライブだってうたプリだって最初はアニメ作品ではなかった!
というか、この話をいただいた時から、「ナナシスの話を書かねば」という支配人*1としての使命感がメラメラときましてw
普通に受けいれていただけて、ユリイカ編集部の方には感謝しております。


それから、巻末にあります「アイドルアニメガイド」でも、いくつかの項目について担当させていただきました。各コンテンツのメディア戦略的なポイントを概観するような感じになっています。

青土社 ||ユリイカ:ユリイカ2016年9月臨時増刊号 総特集=アイドルアニメ

アイドルマスター』『ラブライブ!』『アイカツ!』、そして『KING OF PRISM by PrettyRhythm』…二次元アイドルのスターダム-


■世界の輝き
KING OF PRISM by PrettyRhythm』という奇跡 プリズムスタァのきらめきを追いかけて / 菱田正和×西 浩子×依田 健 司会・構成=上田麻由子
虹の先を越えてゆくために 『KING OF PRISM by PrettyRhythm』における四次元の想像力 / 上田麻由子
生の肯定としての「み〜んなアイドル」 『プリティーリズム』から『プリパラ』へ /筒井晴香
アイドルアニメは【コンテンツ】ではない。 / 綾奈ゆにこ
ストリートの矜持 / 増田俊樹 聞き手=編集部
踊れ、歌え、闘え / 武内駿輔 聞き手=編集部

■アップデートされるアイドルアニメ
アイドルアニメと美少女の表現史 一九八〇—二〇一〇年代 / 泉 信行
きらきらの向こう側 男性アイドルとヒーローの結節点 / 須川亜紀子
「萌え」が死に、「アイドル」が生まれる 受容と環境の変化 / 想田 充

■Music on Character
キャラクターの歌声と音楽の場所 アイドル‐ゲーム‐アニメのリアリティライン / ミト×さやわか
アイドルは音楽である 「芸能人はカードが命」と「SEVENTH HAVEN」から / シノハラユウキ
声優‐キャラ・ライブという例外状態 その条件としてのオーディエンスの情動と主体 / 川村覚文

■アイドルは誰のために
“笑顔”のアイドル活動 / 大橋彩香 聞き手=編集部
個人競争主義的アイドルとチーム団結主義的アイドル AKB48に共鳴/対峙する二次元カルチャー / 中尾 暁
スクールアイドルの輝きの向こう側へ 『けいおん!』から読む『ラブライブ!』 / 高瀬 司
女性アイドルの「ホモソーシャルな欲望」 『アイカツ!』『ラブライブ!』の女同士の絆 / 安田洋祐
「変身」の変容史 アイドルにならなかった森沢優と、多重に変身し「女の子」を攪乱する『プリパラ』のアイドルたち / 柴田英里

■歌姫のもたらす希望
すべてがどこかにつながっている / 鈴木みのり 聞き手・構成=飯田一史
アイドルアニメとしてのマクロス なんのために、どんな想いで歌うの? / 飯田一史
マクロスΔ』の三位一体とケアの倫理の可能性 / 佐倉智美

■次元を超えるアイドル
アイドルはアニメを照射できるか / 香月孝史
二・五次元作品としての『AKB0048』 / 小林 翔
アイドル、スター、そして都市 『サクラ大戦』から見える風景 / 新野 安
あいどるたちのいるところ アイドルと空間・場所・移動 / 岡本 健

■アイドルアニメの現在地
アイドルアニメガイド


目次が公開されているんですが、正直、やばいですね。アイドルアニメ好きならマストバイというか。
自分の原稿のこと抜きにして、普通に楽しみなラインナップです。
っていうか本当、なんで自分の原稿がここに並んでいるのか、わりと不思議なくらいで。
声優オタク的には、はっしーと武内くんと自分が同じ誌面に並んでいるという時点で、叫びだしそうです。
菱田監督、西さん、依田さんの座談会、まっすーインタビュー、武内くんインタビューと冒頭に並んでいて、アイドルアニメ特集というか、事実上のキンプリ特集なのではってあたりも面白いですw


フィクションは重なり合う: 分析美学からアニメ評論へ

フィクションは重なり合う: 分析美学からアニメ評論へ

宣伝ついでに、自著も宣伝させてくださいw
こちらの本に、「付録 二次元アイドル比較」というのを書いてます。
「付録」とか言いつつ、後ろ半分くらいを占めるボリュームで、全然付録じゃないって言われてますw
詳しくは『フィクションは重なり合う』kindle版リリース! - logical cypher scape
おかげさまで、現在、紙版は品切れ中。kindle版のみの販売となっておりますが、よろしくお願いします。

*1:ナナシスファンのこと