福井県立恐竜博物館への旅行

カナダのロイヤル・ティレル恐竜博物館、中国の自貢恐竜博物館とともに、世界三大恐竜博物館と称される福井県立恐竜博物館
いつか行ってみたいなあと思っていたのだけど、連休を利用して行ってきた。

福井駅から博物館まで

福井駅前には、フクイサウルス、フクイラプトル、フクイティタンの動くモニュメントの他、駅舎の壁面にも恐竜壁画やトリックアートが描かれている。こちら、今年の3月にお目見えしたもの。モニュメントの方は12月までの公開らしい。
福井で新種として発見された恐竜には、フクイサウルス、フクイラプトル、フクイティタン、コシサウルスがいるが、前者3つはキャラクター化もされており、福井のあちこちでPR活動に使われているのを目にする。

勝山市にある恐竜博物館へは、福井駅からえちぜん鉄道で1時間、さらにバスで15分要する。
福井駅にも恐竜博士がいた。

えちぜん鉄道はまさにローカル鉄道といった風情の電車だが、勝山駅から大正時代に建てられ、駅舎が登録有形文化財になっているとは知らなかった。

恐竜博物館へと向かうバスの中からは、勝山市内のあちこちに恐竜が置かれているのが見える。
恐竜博物館周辺は、「きょうりゅうの森」という大きな公園となっており、アスレチック遊具で子供たちが遊んでいるのもバス車内から見えた。

建築物としての博物館

さて、この博物館は、日本で唯一の恐竜専門として有名であるが、建築物としても一目で記憶に残るものとなっている。
この巨大な卵形のドームは、えちぜん鉄道の車内からも見え、近づいてみるとその巨大さに圧倒された。

設計は、黒川紀章によるものである(帰ってからググった)。
そういえば、ファサードの波打つ形状は、国立新美術館と似ている。

エントランスから伸びる長いエスカレータを降りていくと、ドーム内の常設展示へと入っていくことができる。

特別展「南アジアの恐竜時代」

12日まで開かれていた企画展。
南アジアというからてっきりインドかと思っていたので、タイ、ラオスといった東南アジアが中心、加えて中国やモンゴルも少しあった。
タイやラオスの恐竜というのは、完全に初めて見た。
プウィアンゴサウルスやイクチオヴェナトール、タンバヨサウルス、プシッタコサウルス、テリジノサウルス、アンキロサウルス類などが目玉か。
ラオスでは1930年代から恐竜研究から始められていたと知ってびっくりした。
1930年代って世界的には恐竜研究が停滞していた時期では? ノプシャ男爵が活動していた時期か?


プウィアンゴサウルス・シリントーナエ
白亜紀の恐竜で、ジュラ紀に北米の方で進化したティタノサウルス類が白亜紀になってアジアに渡ってきたという。フクイティタンも同様。
種小名は、タイの王女様に由来する

プシッタコサウルス

シャモティラヌス
最初、ティラノサウルス類と考えられたため、タイのティラノサウルス命名された

アンキロサウルス類の実物化石による復元

わりとガチな方による展示評はこちらを参考
特別展「南アジアの恐竜時代」レポ ( その他自然科学 ) - GET AWAY TRIKE ! - Yahoo!ブログ



常設展示

大きく分けると、恐竜エリアと恐竜以外エリアという感じ
恐竜エリアは、入口にカマラサウルスの産状展示があり、ホールの真ん中に動くティラノサウルスが鎮座している。ティラノサウルスの周辺が、恐竜のあれやこれやについての解説で、さらにその外縁に全身骨格が並べられている。また、奥には中国四川省を再現したジオラマ。見上げると翼竜も飛んでいる。

獣脚類は、アロサウルスティラノサウルスが通路を挟んで両側にいる。ディロフォサウルスがいる、と思ったら、シノサウルスという奴だった。

竜脚類では、9割以上が実物化石で組まれているカマラサウルスがいて、おそらく写真撮影用に大きな鏡も設置されている。

鳥脚類では、イグアノドンとマンテリサウルスというのが並んでるのがなんか親子っぽいw マンテリという名はギデオン・マンテル由来

アルバータケラトプス、パキケファロサウルス類、トゥオジャンゴサウルスも。
写真はアルバータケラトプス、ユーオプロケファルス、クライトンサウルス。クライトンは、マイケル・クライトン由来


あともちろん、フクイサウルス、フクイラプトル、フクイティタン、コシサウルスについての展示もあり、同じ手取層から発見されたワニとかも展示されている。
時間がなくて見れなかったけれど、地質学系の展示もあった。
恐竜以外のエリアでは、縞状鉄とかグリパニアの化石とかそういうあたりから始まってる。エディアカラやカンブリア爆発についても多少ある。

中生代の海棲爬虫類も色々揃っている。アーケロンは科博でも見たけど、首の長いクビナガリュウ、首の短いクビナガリュウ、魚竜、モササウルス類が一堂に会しているのがいい。

それから、単弓類など、中生代の植生、羽毛恐竜から鳥類への進化、哺乳類や化石人類の展示もあったが、このあたりも時間がなくてあまりちゃんと見れていない。哺乳類のこの下向きのキバ持った奴何者なんだ、長鼻類らしいが。

それ以外に、化石クリーニング室を廊下から見ることができたりもする。『ジュラシックワールド』関係の展示も廊下(というか休憩スペース)に少しあった。

化石発掘体験

時々、雨も降るあいにくの天気であったが、野外とはいえテントの下で行うので、そこまで雨の影響は受けずにできてよかった。
レクチャーを受けたのち、実際にハンマーとタガネで石を割る。転がっている石の中から自分で割れそうな石を探し、割れそうな面にタガネを打ち込む。
割れない時は全然割れないが、うまくいくと2,3回叩いただけできれいに割れたりする。
植物の枝の化石という、ちっちゃいものを見つけることができた。
あと、貝とかも見つかるらしい。
こぶし大のサイズで1人1個まで持ち帰ることができる。
もし、脊椎動物の化石が見つかった場合は、博物館の方で永久保存されるとのこと。

おまけ

福井グルメ

恐竜博物館のレストランにて
福井名物のボルガライスに、恐竜の足跡をのせてDinoミュージアム風となっている。このレストラン、他のメニューに、化石発掘オムハヤシ、恐竜の巣カレー、恐竜バーガーなどもある。

こちらは、福井市内に戻ってきて食べた夕食から