鈴木健『なめらかな社会とその敵』

鈴木健がいよいよPICSYについて単著を出したということで、結構楽しみにしていたのだけど
実際読む段になってみて、なんだかあまりはまれなかった。
元々、鈴木健については06年のisedで知ってたんだけど、それから7年たって自分の方がこういうものへの興味関心が薄れたのかもしれない、と思った。
isedでは白田秀彰鈴木健のことを「宗教家」と称していたけど、まあ何となくそういう感じも受けないこともない感じだったけど、どっちかというとむしろSFっぽい感じだったかなー
胃の集合知とかいう話していて、分人民主主義で腸内細菌についても考えていたり、自然現象そのもの計算素子として使えるみたいな話とか、なんかポストヒューマンSFっぽい。


PICSYとか分人民主主義とか、補完的に、部分的に使われるのなら使える場所もあるかなという気もしたし、これっていいかもっていうアイデアもあったけど、近代の代替として全面化するとなるとやっぱちょっとなんかなーという気はある
PICSYが全世界的な人事評価システムである、っていわれると
あと、構成的社会契約論も、SFとして読んでみたいんだけど、契約と法がつながり、それらが完全実行されてるとか、ちょっとやばくないか、と。
生物の話はアナロジーじゃないっていうのもわりとびっくりした。


事例紹介とかは面白かったんだけど、別にそれはこの本でなくても、みたいなところにはなってしまう。


なめらかな社会とその敵

なめらかな社会とその敵