超文フリ・超会議

少し遅れましたが、お疲れ様でした
筑波批評・フミカのブースにお立ち寄りいただいたみなさん、ありがとうございます。
まあ、正直、普段より売れませんでしたがw
それでも幕張まで買いに来てくれた人もいるのだと思うとうれしいです。
さて、筑波批評の方はまだ買えますので、詳しくは超文フリお疲れ様でした&通販について - 筑波批評社をどうぞ。


超文フリの感想は、幕張メッセ広っ 
超会議の感想
あっちではステージ使ってカラオケやってて、こっちには戦車が置いてあってみたいな空間
とはいえ、あんまり大して見てまわってないので、特にそんなにレポートすることもなく
昼は、かぼちゃとにしんのパイを食べた。他のフードに比べて明らかに不人気だったけど、美味しかった。
あとは、アイマスライブ、というかアニソンフェス。トリがアイマスだった。
アニソンフェスを全部見ると大変なので、後ろでも構わないからアイマスの時だけ見ようかなと思っていたら、意外と前の方までいけてよかった。
アイマス以外もいくつか見たけど、流田プロジェクトのアニソンメドレーが楽しかった。
アイマスは、下田、沼倉、原。はらみーのDo-Daiが見所(?)だったかな。

超文フリで入手した本の感想

まだ全部読み終わったわけでないけど、まあとりあえず

『ニコちく――ニコニコ建築の幻像学』(ニコニコけんちく制作部)

今回、入手したものの中で一番面白かった。
メンツ的にも。
当初、マイクラはよく知らないからパスかなーとも思ってたんだけど、全然でした
まず、岡本健さんへの、n次創作観光(聖地巡礼とか)についてのインタビュー
「ニコニコ建築」という語を使い始めた江渡さんへのインタビュー。ニコニコ建築というのが、単にネット上の建築(?)という意味ではなく、もう少し広い意味で使われていることが分かる。
で、マインクラフト特集
早速、うちでグッドマン読書会に参加してもらった松永さんの原稿ががが。知らなかった。
次いで、gnckさんのドット絵論。この方のこのテーマの文章、読みたいなと思いつつなかなか機会に恵まれていなかったので、嬉しかった。松永さんのと同様、入っているの知らなかった。
ドット絵を美的に鑑賞することについて、gnckさんと松永さんはちょっと違うのかなあというような気がしつつ(いやでも改めて読み返してみると、違いというものではないかも)*1、gnckさんの論、いいなと思う
それから、服部一晃のマイクラ二次創作小説。メタフィクション的な感じ
朝永ミルチは、上段にスティーブ*2へのインタビュー、下段に評論という構成で、マイクラについてMMDを絡めて論じている。
特集2は音楽と建築
ネットレーベル卒論で有名になった永野ひかりの初音ミク論。椹木の「テクノポップ」概念を用いながら、SFのアイコンとして初音ミクを見る
仲山ひふみの音楽論。彼の文章は、今までいくつか読んできた中では一番読みやすく、いいなと思った。「時間の組織化」という観点から、MADを捉えるというもので、自分のMAD論に組み込みたいなと思った。
それから建築形3つ
たまこまーけっとの商店街について、アイコン建築について、インターネットと建築学科について

『全感覚3号』(全感覚派)

藤田さんの、SFとアートについての文章が載ってた

『F』2013年春号(東京学芸大学現代文化研究会)

千田先生の授業、受けたいなーって思ったw
というか、大学から離れると、大学の授業が受けたくなる

『普通な人』(普通な人の会)

巻頭言がよかった
文フリの出席簿もなかなか

『ロウドウジン』vol.6(反社会人サークル)

いつもながら面白い
就活ソリューションと逆圧迫面接

『無意識のポリローグ、あるいは夢のパサージュ』(てらまっと)

今回は、たまこまーけっと論が多かった印象。たまこま見てなかったら、たまこま論集みたいなのはパスったけど、たまこまを論ずるとJCだかが買ってくれたらしい
てらまっとさんのフリペは、たまこまの会話などを分析するというもの

『マンハッタンのジェムストール』(あとりえSKYFiSH)

一時期、文フリでは評論しか買えてなかったから、最近は小説にも意識的に手を出そうとしているのだけど、やはりあまり買えず、今回はこの一点のみ。
一応、SFジャンルだったけど、感触はファンタジーに近いかな。同じ世界観で連作書いてて、他にもあったのだけど、どこからでも読めるということで新刊を。

『VOALO CRITIQUE』vol.08(白色手帖)

一つの区切りを迎えたボカクリ。本当にお疲れ様でした。
特に、編集長の中村屋さんは、すごい仕事を成し遂げたなあと思います。
雑誌において、一区切りをつけられる、というのもまた、実はすごいことだと思うし。
今号について個別に言及しておきたいのは、Eji Warp「海を越えて辿り着いたイベントによる思い出の共有」
これは台湾の方が、いかにアニオタからボカロへと興味が移り、そして台湾でボカロイベントをするに至ったかということのレポートなのだけど、別に海外の人の原稿だからすごい、というわけではない。
台湾の方なので、日本語ネイティブというわけではなく、アニメなどを通じて日本語を学んだらしい。十分読める文章になっているのだけど、やはりネイティブから見ると何となく違和感を覚えるところもある。しかし、何故だろうか、それが何か独特のドライブ感を生んでいてぐいぐいと読めた。
内容についても、そのドライブ感には一役買っていて、本人の経験を時系列順に入れているので、色々な話題が次々入ってくる。台湾のオタク事情という、日本のオタク文化とはまた違ったオタク文化がバックグラウンドにあることもうかがえるが、そのバックグラウンドについて十分な説明がなされぬまま、語られていく。
そのぎゅっと詰め込まれたところを疾走していく文章で、熱が伝わってくる。
一読してこれが一番印象に残った。
熱という意味では、ひさゆきさんの「私家版GUMI年表」も熱いほどのGUMI愛が伝わってくるものだった。

同人音楽.book 2011Autumn』(同人音楽同好会)

あ、まだDVD聞いてないや。
M3に行く道すがら、井手口さんや安倉儀さんの文章読んだり、レビューを眺めながら、意識を高めた。

『宮内悠介トリビュート同人誌』(富永淳市)

『盤上の夜』二次創作小説、座談会、短歌、評論が一本ずつ
それから、かつて同人誌に掲載された宮内の過去作が一本再掲。
迷路平蔵による二次創作小説はポーカーと911
評論は、安倉儀さんによるもので、『盤上の夜』の語り手が一体何者であるのかということを、作中に出てくる量子コンピュータをからめつつ、迫っていく。ああ、そうか、こういう迫り方もあったなと思った
座談会は、宮内悠介、市川真人、迷路平蔵、市川の高校時代の後輩舟木氏が麻雀をやりながら行っているもの。宮内に対する市川のインタビューと麻雀が入り乱れるもので、自分は麻雀が全然わからなくて、麻雀部分はちんぷんかんぷんだったけれども面白かったw

ヱヴァンゲリヲンのすべて』(BLACK PAST)

まだ読んでないところの方が多いかなという感じだけど、
とりあえずさやわかさんのが面白かった。
宇多田ヒカルの「桜流し」についてが一応テーマなのだが、音楽について論じることについて、主題歌とは何かについて書かれていて、フミカのメンバーとして興味深く読んだ。
音楽について論じるとき、歌詞について論じられることが多いけど、それって音楽について論じてるわけじゃないし、じゃあ一方で楽理分析というのもポップミュージックにはあまり適していない。この二つを、反映論と表現論とにオーバーラップさせつつ、これらのどちらがよいということでなく、こういう状況を踏まえないと論じることができないといって、「桜流し」について論じてく。

『マンガルカ』vol.1.(アニメルカ製作委員会)

西島大介のひらめき☆まんが学校が、どういう企画か全然知らなくて、西島・さやわか対談読んでかなりびっくりした
西島大介論にもなっていて面白かった
あと、西島の以下の発言に共感

映像の快楽というのは、すごく単純化して言うと、一瞬のカットの間にある、自分の視覚では処理しきれない情報量が生みだすものだと思うんですね。破片の数がやたら多いとか、ミサイルが飛びまくってるとか、(...)それを解析する視覚が映像のテンションに追いつかなくなる瞬間に「うわー気持ちいいー!」ってなるのではないか

こういうことについての評論を書きたいんだよなー、自分は。
それから、坂上秋成「「ロマンティシズムの箱庭」を超えて」
中村明日美子『Jの総て』と『風と木の詩』をジェンダー批評の観点から比較するというもの。僕自身は、少女マンガは全然読んでなくて、24年組すら萩尾望都を少々程度なもので、それからジェンダー論についてもほとんど手を出していない。要するに、この論について本来なら興味の対象外なんだけど、読んでみたらとても面白かった。
うまく解説できないけどw よい文章だった。

*1:松永さんのドット絵についての考えは、筑波批評の座談会にほんのちょっとだけ言及がありますw

*2:イクラのプレイヤーキャラクターらしい