『けいおん!』

映画館行ったら、ちびっこもいるし、女性客もいるし、公開から一ヶ月以上たってるのに客の入りもいいし、「こ、これが社会現象か」とびびったりしたw
話には聞いていたけれど*1、見るまでは信じられなかった。というか、『けいおん!』は確かに面白いけれど、やはり萌えアニメというジャンルに属するものだと思うので、無論萌えアニメ萌えアニメとして楽しむ女性もいるだろうけれど、やはり男性オタク向けであって、それ以外の需要がどこにあるのかが分からないのである。


まあ、そういう話は置いておいて、けいおんファンとしてはとても楽しめる映画だった。
特典がもらえるというのがなかったとしても、リピーターが続出してもおかしくないなあという感じ
冒頭の「音楽性の違いで解散」ごっこから、笑ってしまった。けいおん見るのが久しぶりだったので、「けいおんってこんなんだったよな」というのと「けいおんってこんなに笑いながら見るものだったっけ」というのを感じながら見ていた。
あと、ご存知のとおり僕はむぎ派だが、みんな可愛かったw 久しぶりに見たせいというのもあるし、確かにここで唯・澪・律・紬・梓ならこうするよね、というのが画面の隅っこであろうがやっていて。加えて、その5人だけではなく、他のキャラも当然出てくる。むぎの次に純ちゃんが好きなのだが、純ちゃんの卓球やってるところなんか、ものすごく純ちゃんっぽかった(あの卓球シーンの3人は3人それぞれがっぽかった)。あと、クラスメイトの子たちも出番結構あったなあと思った。
むぎと純ちゃんというと、パンフレットを見ると、この2人は映画化にあたって設定画が新しく描き直されたということで2人の設定画が載っていた! (それから、唯の両親も! 設定画だと顔がある! というか、劇中で何気なく両親が出てきてびびったw)
パンフに載っていた設定画というと、屋外ライブでの機材。テレビの時どうだったか知らないけど、テレビの時よりも細かい気がする。あの学祭にはPAがない、と思いながら見ていた記憶があるのでw なんとキーボードのDIもちゃんと描いてたようだ。*2
劇場版ならではというと、やはりカメラがぐるんぐるんと動くところ。カメラが動き回るのは、実写だろうとアニメだろうと映画って感じがして楽しくて好きw
カメラというと、あずにゃんカメラ(ℂてらまっと*3も結構あった。少なくとも2回はあった。3回くらいあった気がする。あずにゃんカメラというのはつまり、あずにゃんの主観ショット。あずにゃんへの同一化を促す、というのテレビシリーズからあった手法で、すでに散々指摘されているけれど、映画ではそれがさらに強調されていた。


けいおん!』は、ディテールを楽しむ作品で、ブログに感想を書いてくのは結構大変。
伏線、というか対応関係が色々とあって、しかもそれが映画内だけでなく、当然テレビシリーズとの呼応もある*4
当然気付いていないのも多々あるだろうし、むしろ覚えてないし、仮に覚えていたところでブログにちまちま書いてはいられない。
しかし、そういうところこそが面白いのだし、だからこそ、何度も見たくなる。
ただ、一応大雑把なストーリーは、メモとして書いておく。
放課後ティータイムの5人がロンドンへ卒業旅行へ行く話、として宣伝されているが、実は、3年生の4人が後輩である梓に送る歌を作る話だ。つまり、テレビシリーズの卒業式で歌われた「天使にふれたよ」がどのように作られたのか、という話になっている。テレビシリーズで卒業まで描ききったのに、映画版はどうするのかと思われていたところ、この上なくうまくあわせてきたなあという感じ。
5人のロンドン行も当然面白いのだが、ロンドンから帰ってきても普通に話がぽんぽんと続いていく。ロンドンに行った特別感もすごくあるのだけど、そのロンドン行きもまた放課後ティータイムの大きな日常の中にすっぽり入っている感じになっていて、見終わったときに「おお」って思う。
卒業が近づいてきて、梓に何か先輩らしいことをしたいと提案する唯。4人は梓に隠れて色々と思案し始める。その一方で、クラスの他の部の子達が卒業旅行でハワイに行くということを聞いて、自分たちも卒業旅行へ行きたいと考えるようになる。そして、あれよあれよという間にロンドン行きが決まる。このあれよあれよのやりとりが、可笑しい。旅行計画は梓がみんなの要望を聞いて決めることに。梓、すごいしっかりしている。唯のTシャツはハネムーン。飛行機も部屋も唯と梓が2人だった、そういえば。
早朝、荷物をもって集まる5人。むぎ以外、みんな楽器持っているというのがすごいw*5 空港ではしゃぐのがかわいい。ヒースロー空港で、1人だけ荷物が出てこない澪。ここでぐるぐる回るのがトラウマに。タクシーでホテルに向かうが、着いたのは同じ系列の別のホテル。前に出ていくも早くて英語が聞き取れないむぎと、律の後ろに引っ込んでいるがちゃんと聞き取れている澪、というのがいい。地下鉄でホテルに向かうことにする。着いた早々、いきなり地下鉄乗るのってすごいなあと思った。あと、唯と律のはしゃぎっぷりは、いつスリにあうのかと不安になるw
途中で空腹になって回転寿司屋に入るが、何故か演奏させられる。演奏が終わっても寿司は食べさせてもらえない。実は律の友達のバンドがこの寿司屋でライブをすることになっていて、勘違いされていた。何とかかんとかホテルに着くが、夕食食べにいく気力はなく、憂に入れてもらったインスタントの和食を食べる。


……この細かさで、あらすじ書いていくの辛い……。


ロンドンでは、梓が同じ夢を繰り返し見る。寝ぼけあずにゃんと唯の部屋ぐるぐるおっかけっこ。大観覧車。順番間違ったけど、梓の靴買いに行ったり。アフタヌーンティーができるお店に行ったら予約が必要だったり。ロゼッタストーン見に行ったり(演劇回の時に出てきたから)。楽器屋見たり。
そして、もう一度ロンドンでライブをやることに。日本のポピュラーカルチャーを紹介するイベントということで。帰りに飛行機ギリギリの時間だが、唯の「大丈夫」で参加することに。唯、アンプにシールドを指そうとして、まえに変圧器使わずにドライヤー使おうとしてバチッとしたのを思い出して躊躇する。そこに、さわちゃん登場。
ライブを無事成功させて空港に向かうタクシーの中、ずっと梓への曲を作るために悩んでいた(ワールドワイドにーとか)唯が、いつもの私たちのままでいいんだ、と気付く。
帰ってきて登校日。クラスメイトからロンドンでライブやったんだってー、また放課後ティータイムのライブ聞きたいなーと言われる。それで教室でライブをすることに。この教室ライブ、utauyo!MIRACLEの時のライブシーンっぽい!(もちろん、utauyo!はやらないが)。教室で聞いてたクラスメイトが、憂と純を教室に入れたり、先生方を教室に入れたりしていくのも楽しい。ここでのさわちゃんは、見守るポジションを出し過ぎって感じもしたけれど、でもそれはそれでよかった*6
そして、梓への曲を送る当日。屋上のドアが開いている。あーっと叫びながら屋上へと出て行く4人。何この青春。今までで一番緊張しているという思いをお互いに明かす。ここで、ロンドンの特別さが一気に逆転するのがやばい。旅行行った先のロンドンでやったライブよりも、梓へと捧げるライブの方が放課後ティータイムにとっては特別なのだ。なんで金払って劇場で見てんのにエコノミーなんだ。そして、天使。
天使をふれたよの演奏の後の梓のセリフはオフ。
最後、4人の脚だけのシーンとかも。けいおんは元々、脚が注目されるアニメだけれども、ここはすごい。

追記(20110127)

そういえば、映画「けいおん!」の感想で、音について言及するの忘れてた。といって何か書くほどのものがあるというわけではなくて、ライブっぽい音にしていたというだけなんだが。

そういうリアリティ(?)はなかったけど、ライブだと分かるように他のBGMとは何かを変えていた感  RT @magelixir: 映画「けいおん」のライブシーンの音について、映画をみているときは「こんなにイイ音でねーよw」と思った(映画の設備が優秀だったのもあるかもしれない)けども

教室ライブの時は、唯がマイクから離れていても歌が聞こえていたので、口パクの疑いが濃厚だが、そもそもあの学校の体育館は楽器にマイクを立てなくても聞こえる謎空間なので、教室も謎音響がある可能性は否定できない

とか書いてたら、じゃぶらふきゅーさんから

音質や演出の虚実に関してはsakさんの考察に期待したいw こんなことを考えた→ http://bit.ly/wjZyhU http://bit.ly/xcdCHw

とはいえ、音質や演出のことを考えていたのではなくて、多分音量とミックスがいつもとは違っていたというだけの話なんだが
確かにそれは生々しいライブの音とも違うのだけれど、ライブっぽさを出そうとしていたのではないかなと思う。
あまり意識して聞いていなかったというか、あんまりそういうのを聞き分ける耳がなく、見終わって数日経ってしまった今となると記憶も曖昧なので何とも言えない。
ただまあ、教室ライブで唯がステージから飛び降りた際に、唯のボーカルの音量に全く変化がなかったのはやっぱり気になるっちゃ気になる。
音とアニメ、音とフィクションという壮大なテーマについては手に余る。

*1:いやでも、女子高生に人気という話は聞いたことあったけど、ちびっこに人気って話はきいたことないぞ

*2:パンフレットに載ってた機材情報をさらに加えると、1期ではりっちゃんのドラムセットにフロアタムなかったのが、音楽プロデューサー側からの要望で2期からフロアつけてもらったらしい

*3:初出は、てらまっとさんではなくて杉田uさんだという指摘をいただきました。どうもすみません。http://twitter.com/sumimasen02/statuses/161451781866524673

*4:ところで、パスポートとりっちゃんの友達のバンドという、話の上で非常に重要な要素が全然わからなかったのだが、地上波未放送分のエピソードのようだった……

*5:むぎは後日、ロンドンまで自分の楽器を空輸させているw

*6:梓に次いで、さわちゃんのこの見守るポジションというのも視聴者の感情移入先だと思うので。とはいえ、もっとはっちゃけたさわちゃんも見たかった。後半はちょっと保護者しすぎてたような気がする