どちらも雑誌で読んでいたが、文庫になったので*1再読
「肝心の子供」は、記憶にあったのより短かく感じた。
そのときはふたりとも言葉も出せずただごくりと飲み込み、虎から眼を逸らさぬようにしてゆっくり、ゆっくり後ずさり、すると虎のほうも後を追って来ることはなかったのだが、無事に軍営に戻ってから三、四日もすると「もう大丈夫だろう」とまた森へ出かけてしまうのが少年の浅はかさで、次に出会ったとには虎は猛然とふたりに襲いかかってきた。
この文がなんとなく面白かった。
「眼と太陽」は、あんまり面白くないという記憶だったのだが、ブログで当時の記事を見たら面白いと書いてあった。自分が記憶していたこととブログに当時書いたことってずれていることが時々あって、記憶って当てにならないと思う。
磯恕W作品においてあらすじというのは何の役にも立たないが、一応まとめておく
トーリとの出会い→私のアメリカでの生活→駐車場でボール遊びするこどもたち→トーリの娘、ミア→カフェの中年女→日本食レストラン→世界最大のクリスマス用品専門店→交通事故→韓国サロン→遠藤さんの若い頃の話(ピアニストの彼女)→引越(日本への帰国)
*1:文庫化したのは1年くらい前だが