星野智幸『俺俺』

表紙の石田徹也がなかなかいいよね
ちなみに僕は、石田徹也カラスヤサトシで知りました


何だか読んでいる間に、色々な似ている作品を思い浮かべながら読んでた。
まあ主に阿部和重の『IP』とか
ちょっと気になるナラティブの仕掛けとかもあったんだけど、星野作品はそういうところにあまり主眼がないんだよなあ、多分*1
久しぶりに星野作品を読んだから、最後の方になってようやく、「そうだ、星野作品はこういうものだ」と思い出した。
暴力と共同体を巡るなにか
ある種の戦争
しかし、ある種の戦争だとして、ここまでいかないとどうにかならないもんかなあ。
世界中が俺化していく。
全てが俺になった社会はユートピアか、というとそうではなく、むしろお互い分かり合いすぎているがために疑心暗鬼へと陥り、殺し合いへと発展していく。そして、彼らは山へと引きこもる。
うーん、そうなのか。
最後の最後で導入される「語り」とかも、何故それが導入されるのかがよく分からなかった。
未読の星野作品読んだり、既読のも再読したりすべきかなあ
主人公は何故カメラ屋なのか、とかも気になったり


あと、みなさんの想像通り、俺俺詐欺から始まります


第1章から第2章にかけてと、殺し合いが始まるあたりと、第6章で食われるあたりとかが面白かった。
あの最後の絶望への盛り上がりに比して、小さなコミュニティが出てきて終わりってどうもよくわからん


なんか、わからんわからんばっか書いてしまった気がするが、別にそんなに分からない話ではない、話としては。

俺俺

俺俺

*1:『無間道』はそれでもそこをついて読むことが出来たので、そう読んだことがあるけど