佐藤亜紀『ミノタウロス』

赤軍と白軍のあいだで内戦が起こり、混沌とした情勢下にあるウクライナを舞台に、獣のように生きた青年の物語。
主人公の青年はもとは地主の息子であり、頭は良いのだが、学校のくだらなさに早々に見切りを付けて地元に戻ってくる。そんな中戦争が始まり、チンピラがゲリラの真似事を始める。
ウクライナ無政府状態の無秩序に陥った中で、主人公はたまたま知り合った逃走兵なんかといっしょに好き勝手な暮らしをしていくのだが、最終的に死に至る。この最後のシーンの描き方とかがなかなか衝撃的。
内戦下のウクライナというなかなか馴染みのない舞台だったけれども、さくさくと読み進められた。
すごく面白いんだけれど、うまく書くことができない。

ミノタウロス

ミノタウロス