ゼーガペイン

現実世界か仮想世界か、という二者択一を迫るように見せかけて、その対立をうまく避ける方向に進めたのかなという感じはする。まあ結局は現実世界の肉体を選ぶわけだけど。
OPとEDがよい曲だったし、話の進め方が丁寧だったし、ネタ回とかまとめ回とかなしだったので、クオリティ的には十分高い作品であったのは確かだけれど、それゆえにテーマ的にも伏線的に十分消化しきれてない部分があるのはやはり気になるところである。


データ化されたことで時間の問題が出てくるだろうと思っていたのだけれど、実はそれで最終回で人間の肉体を手に入れたキョウと、幻体のままのカミナギという形で描かれたのでわりと満足した。
時間に関しては、「舞浜」サーバと戦艦オケアノスとの間の同期とかは一体どうなっているんだ、とか、設定的に色々突っ込んだらさらに色々出来そうなところがあったなあと思う。細かい話になるけど。


あとはやはり、ナーガと復元者が結局何だったのかという話で、それって多分セレブラントとも関係していたのだろうと思う。シンが来たときに、キョウが「まるでセレブラントじゃないか」と言っていることと、ナーガがセレブラントのことを「新しい種」みたいに言っているあたりから推測。
あと、カミナギだけがAIや復元者と分け隔てなく接しているあたりもポイントで。
そういう異種族・亜人間と人間との関係みたいなテーマがもっと色々出来たのになあと思う
何しろ、幻体という設定自体がもろそうなのだし。
復元者の設定に関しては、『ギャラクティカ』のサイロンっぽいところがある。


あとは、先輩か。先輩の正体を明かすのが遅すぎたんじゃないかなあと思う。無論、ヒントはあったわけだけども。先輩をどのように扱うのかをもっと考えるシーンがあってもよかったはずなんだけど。
まあそれもこれも、尺が足りないせいなのだなあ。
ってか、先輩の名前の件、ゼーガwikiを見るまで気付かなかったw
ミサキ・シズノのミサキはキョウの妹の名前だった、と
ってか、wikiでは二箇所で論争があって、自分は全然気にしてなかった部分なので驚くと共に、見て良かったと思った
一つは、最後に出てくるキョウの家族って一体という話で、キョウがサーバ内でNPC化している説とキョウが見ている夢説の二つがあって、まあこれは後者に軍配があがっている感じ
もう一つは、カミナギが最後に身ごもっていた子どもは一体誰かという話で、シズノ説とシン説があった。これはどちらも決め手に欠けるという感じであったが、どちらも魅力的だなあと思った。自分は普通に、キョウとの間にできた新しい世代だと思ったんだけど、これについてもキョウとの子ども説と結局間に合わなくてキョウとの子どもじゃない説があるみたい。
個人的には、生まれてくる子どもにシンと名前を付けるのがグッとくるなあと思う。


6話の電車のシーンは演出がいい


カミナギとキョウの話とか。
戦地に赴かないと会えない!(これは6巻からだけど)
これはなんかほんとセカイ系っぽい
戦場を背景にした恋愛ということで。
あと、舞浜では感情を喪失してしまうというのも、先のキョウの「繰り返しが守るべきものなのか」という問いとも呼応しているし、なかなか面白い設定だなと思う。
ただ、実際に記憶が繋がっていて、感情が表れたり消えたりするのはすごい負担になるんじゃないかなあとは思うけど。なんか、躁鬱的な何かだよね。


最終話直前のあたり
一人ずつ死んでいくところといい、その後乗っ取られて復活するところといい、AIがよかった
AIの心配を口にしたりシンと親しくなったりというカミナギの役割もよい。
あと、シズノに声をかけるミナトとかねー。
ただ、舞浜サーバの中で戦うのは謎だったなあ。投石でアンチゼーガ倒すところ。意図はわかるが説得力がない、というか。全般的にわりと話の進め方が安定していたと思うのだけど、最後の3話は走ったなあという感じがする(そういうわけで、8巻のが面白かったかも)。
ナーガとシマのオリジナルが一体何だったのかも消化不足でしょう
っていうか、最後の最後になってルーシェンが一体何者なのかというところが増えすぎ。最後まで明かせなかった隠し設定を大急ぎで出しましたって感じがする。
あ、中国組も気になるけど、ミナトのダメージって一体何だったんだろうなあ


圧倒的に棒読みなカミナギを筆頭に、全体的に演技が微妙な気がする(下手な声優が嫌いじゃなかったりもするがw)
キョウが熱血キャラなのにインテリなのが面白い
そして何よりもミナト! ミナト最高! ミナトに萌えまくりながら見ていた。
なので、下のAMAZONリンクはミナトの巻で!

ゼーガペイン FILE.04 [DVD]

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