夏コミ!『筑波批評2009夏』

新刊『筑波批評2009夏』が出ます。
コミックマーケット76三日目(8/16(日))
東地区M−28a

特集「ゲームの思考」
僕たちはゲームの中に生きている。
その中で確かに脈打つ隠れた思考を炙り出す、ゲームをめぐる新しい言葉が今ここに!
本文118ページ、500円

詳しくは、夏コミ告知 - 筑波批評社を参照して下さい。
また、かっこいい表紙ならびにイラストをid:YOWさんに描いてもらいました。http://d.hatena.ne.jp/YOW/20090721/p1:TITLE=こちらからご覧になれます。


「党派性? 何それ、美味しいの」ってな感じなのだが、だとすれば何故、こんなふうに徒党を組んで同人誌を作っているのか。
それは、雑誌の中に論文を並べたときに生まれてくる「文脈」を送り出すのが、たまらなく面白いから、と言える。

ゼミ終わった後、むいしゅきんの指摘をもとに筑波批評2009夏の自作原稿読みなおしてた。なるほど、確かにミクロ-マクロ連関になってる。宣伝時に他参加者の原稿をブログでレビューし合うのも面白いかもってくらい、話が相互連関してる。
http://twitter.com/tricken/status/2687586759

寄稿者の一人である高橋さんが、このようなコメントを呟いていた。
各論文が、何かしらの形で絡み合っている。
そういう相互連関は、事後的に見出されるものであって、偶然生じてきたものだ。執筆者同士で事前に打ち合わせをしたりしていない、という意味で*1
しかし、一方でそれはある意味で必然的でもある。それは、『筑波批評』という場に集まって書いたり考えたりしているからで、普段は意識されないけれども、こうやって同人誌という形になると見えてくる。それが、ここでいう「文脈」なのである。


まあ、『筑波批評』作る時は、毎回こういうことを感じていて、毎回告知の時にも書いている気がするけどw


今回、ゲーム特集を銘打ってるのだが、いわゆるゲームレビュー的なものでは全然ない。
もちろんゲームレビューを目指していたわけではないので、それは当然としても、どうやって売り込めばいいのかが、なかなか難しいw
何しろ、巻頭となっている塚田論文からして、ゲーム作品のタイトルは全然あがってこない。彼がこの論文で扱っている作品は、『最強伝説黒沢』だったり『地下室の手記』だったりする。
まあそんなことを言うなら、僕もボカロの話なんかしたりしていて、実はもっともゲームから離れたものを書いてるw
山本論文では、じゃんけん、格闘ゲーム、ドイツ系ボードゲームを挙げながら、ゲームの面白さを語られているし、高橋論文では、「D&D」や「ガンパレードマーチ」などのゲームデザイン批評を試みている。
どれをとっても、抽象度の高い議論が展開されているけど、だからこそ「ゲームの思考」がそこに浮かび上がっていると思う。
ゲームをやるかやらないかということに拘わらずに、読んで貰いたい。

*1:高橋さんに関して言えば、執筆時には他の原稿を読んでもいない。さらにいうと、上がるのが一番最後だったので、他の執筆者も高橋さんの原稿は執筆時には読んでいなかった。高橋さんによる告知は、『筑波批評2009夏』(夏コミ・特集「ゲームの思考」)に寄稿しました - God & Golem, Inc.