『現代思想12月号』「特集ドゥルーズ」

ほとんど12月に読み終わっていたのだけれど、ブログに書くのが遅れていた。

  • 「映像・脳・言語」(宇野邦一インタビュー)

クリスチャン・メッツ=映画を記号学的に読む
ドゥルーズ=映画を記号論的に読む
ライプニッツの話、脳の話、反復の話

  • 「時間の総合か、時間イメージか」(財津理インタビュー)

運動イメージの話とか、時間イメージの話とか。

『シネマ』の要約としてとても読みやすかった。
ベルクソンのイメージ一元論(物質もイメージ、知覚もイメージ)と、それを映画と結びつけたドゥルーズ

フランス哲学史もっとやろうよって話と
科学哲学もっとがんばれよって話を
していたのだと思う。フランス哲学史の方は、知らない名前が沢山出てきた。
ライプニッツとかパースとか新カント派とかベルクソンとかが微分のこと好きだよねって話とかも。
それから、ベンヤミンも大事だよね。『シネマ』って複製芸術論だよね、とか。

今回、一番面白かった記事。
ドゥルーズ実在論について論じている。
実在性に関しては3つの立場がありうる。一つめは、観念論。二つめは、プラグマティズムとか道具主義とかそういった立場、三つ目は、実在論ドゥルーズは三つ目の立場。
しかし、もちろん素朴実在論というわけでもない。
強度と潜在的という2つの概念をキーワードにして、そして化学と生物学を具体例としながら、ドゥルーズ実在論が論じられる。
原型みたいなものが実在としてあるのではなくて、差異から生成していくもプロセスみたいなものが先立っている。同一性は、差異のあとにある。

これは偽手紙なんだけど、これも面白かった。
哲学とは何かということについてと、ドゥルーズの思想内容についてが書かれている。
哲学に関しては、
直観と知性の関係(直観は反知性主義ではない)、具体的なものについて考えよ、哲学とは問題を提起すること、概念とは一種の道具
内容に関しては
時間・持続の実在性、『物質と記憶』における心身並行論への批判、多様性についてなど

読んだけど、覚えてない
「どうして同一性の世界では生きられないのか。それはわれわれが時間を生きる生物であるからにほかならない」というところに線が引いてあった。

ドゥルーズガタリにみられる、音楽論、音楽の哲学について。
テーマは反復。反復がいかに音楽になるか。
リトルネロでは三つの力が働いている。
ドゥルーズガタリの非人間主義(反人間主義ではない)

  • 「重なり合う哲学」大山載吉

ヒューム、ジェイムズとドゥルーズ
精神というのがどういうふうにできているか。
ヒュームとジェイムズはともに経験論者。
ヒュームは、諸観念の連合として精神を捉える。
ジェイムズは、意識の流れとして精神を捉える。

現代思想2008年12月号 特集=ドゥルーズ

現代思想2008年12月号 特集=ドゥルーズ