『レキオス』池上永一

読みたい本、読まなきゃいけない本をさしおいて、何故か読んでしまった。
沖縄を舞台にして、謎の秘密結社と米軍のパイロットと天才科学者とCIAエージェントとシャーマンの血筋の女子高生が、古代より封印されてきた霊的なエネルギー(?)「レキオス」を巡って、戦ったり戦わなかったりするお話。
とりあえず、この話の要素はこの上のあらすじで大体分かる。というか、このあらすじを読んで、ちょっと読んでみようかなと思った人は、読んでみればいいと思う。
これが後半がなかなかに壮大で、歴史改変とタイムスリップものの要素まで組み込んできている。
あと、キャラが半端なく濃い人たちが出て、ある意味でキャラクター小説的である。
沖縄のオバアたちの雰囲気が、とてもよい。
アジアの都市のごちゃごちゃした感じや、あるいは沖縄の抱え持っている問題なども描かれていてまた面白い。


とはいえ、時折文章が狂っているところがあり、半分くらいのところで何度か読むのやめようかと思った。
セリフの口調が明らかに不自然だったり、ハートマークがついていたり、そういったことは別に構わない。
あー、マンガだったらここで絵柄が変わるだろうなー、というようなところが度々あって、そういうところが日本語として小説として気になる人もいるかもしれないが、そういうところは僕は別に気にしない。
ただ、それとは別に、以下のような点が気になった次第。
誰が喋ったセリフなのか分からないセリフがある。
あるいは、場所の転換が急で、あるいは転換が省略されているために、前後の脈絡がよく分からなくなっている部分があった。
そして、最も気になったのが「広美のどこが好きなの?人権が好きなの?」というセリフ。広美の人権が好きって何だ?
それから、とある天才科学者が何度か口にする「人間原理」という言葉の使い方。
まあこれはSFで、出てくる理論は滅茶苦茶なもので、その滅茶苦茶具合を楽しむものだと思うのだが、「人間原理」という言葉の使い方が何かちょっとうまくはまっていない。


これ、マンガで読みたいよな、という感じもした。
色々な要素が詰め込まれていて、確かに面白い物語であった。

レキオス (角川文庫)

レキオス (角川文庫)