今月のアフタヌーン

なんか滅茶苦茶面白かったので思わずエントリをたてる。
というかですね、「おおきく振りかぶって」で泣きました。
このマンガで泣きそうになることはよくあるんすが、ついに今月号で落涙しましたよ。
これ以上説明するとどうあってもネタバレになるので、アフタヌーン持ってる人だけに説明すると
258頁3コマ目のモモカンのセリフに何故か唐突に涙腺を刺激され、260頁と261頁は涙を抑えるのに必死で、しかし262頁の三橋のセリフでついにおさえきれずに涙を落としました。
もう一回読み直しても、やっぱり262頁の三橋のセリフに涙腺を刺激されます。
それにしても、涙をぬぐってページを捲ってみると「プ〜ねこ」ってのはどんなもんなんでしょう。「爆音列島」を先に持ってきてもいいでしょうよ。「しおんの王」とか。


それ以外だと
ヴィンランド・サガ
トルケルがやばすぎ! バトルマンガ的ワクワク感。
それから「プラネテス」が小説化するらしくて広告が載ってたんですが「木製往復船フォン・ブラウン号」っていう誤植が。
「学園夢探偵獏」が完結。
この人は、「リンガフランガ」もそうだったけど、情念を持った人間の無表情な目を描くのがうまい。話も面白い。
そして、かの問題作「BLAME学園!」
もはや何も言うまい。
何というかもう、弐瓶勉には猛省を促したいところである。だってフルカラーでこんなことやるんだよ、もう。
しおんの王」は最初始まったとき、なんでアフタで将棋マンガ? とか思ってたけど、最近面白い。
カラスヤサトシはいつも通り面白いけど、今月は声出して笑えたのがいつもより多かった*1
「呪街」
うまく説明できないけど、妙な迫力を感じられて好き。
見開きをやけに使ったりコマを大きくしたりするのは*2嫌なのだが、この作品はむしろそれがいいと思うんだ。今月の見開きとか。
無限の住人」で、読者からのコメントに、最終章でみんな緊迫してるのに、卍と凛だけ何ラブコメやってんだよ、というのがあったのだが、今月は、卍と凛以外は気迫みなぎる中、卍と凛のラブコメっぽいコマで落ち。
それから、あらすじマンガのタイトルが何故か「むの素」。榎本俊二と関係ありそうで関係ない。
ナチュン」は、広告マンガで源さんが「沖縄まったりマンガ」って言ってしまったが、連載の方は「まったり」が終わって、緊迫したストーリーが続いている。ただ、やっぱりSFではない。
「チノミ」は今月で第5話だが、もう連載始まってからずっとすごい。
この人の絵はすごい。書き込みの量が尋常じゃないっていうのもあるけど、妙な比喩的(?)表現*3がとてもうまいと思う。
来月から、くぼたまことが新連載!

「GOGO!ぷりん帝国」「天体戦死サンレッド」などの傑作ギャグ漫画をものしている、くぼたまことさんがアフタヌーンにやってきます。

と紹介されているが、GOぷりがやってた頃って果たしてどれだけ評価されていたのか。
最近、本屋で、若い女性が同じくらいの年の女性に「これ面白いんだよー」ってサンレッドを紹介していたのにものすごく驚いた。
とりあえず、くぼたまことの時代がやってきたのは確かっぽいので、お願いだからその100分の1くらいの規模で良いから、極山裕の時代がきてほしい。


マンガ以外。
「フィクションゼロ/ナラティブゼロ」の広告を発見。
自分が「ファウスト」をはじめて知ったのはアフタヌーンの広告だったことを思い出した。鬼頭がイラスト描いてるよ、と思って手を取ったのが、ユヤタンとの出会いだったりするんだな。
ところで、ここ最近の*4欄外は、多分担当がT田氏に変わってから、ミスが多い。同じ投稿が何度も載っていたりする。今月、先月載った投稿がまた載っていた。
アメゾはリニューアルしてからほんと充実していると思うんだけど
今月は
吉田豪AiraMitsukiについてのレビュー、森川嘉一郎の『族の系譜学』についてのレビューは、このブログで紹介するのにぴったりな気がする。
前者は、最近デビューしたらしいAiraMitsukiという女性シンガーの話なのだけど、どうもまんまPerfumeらしい。
「売れた途端に模倣しやがって」という感じらしい*5が、一方で

セックス・ピストルズを模倣するバンドが多数出現したことで巨大なムーブメントになったようなもんで、Perfumeがジャンルを牽引する存在になったと考えれば一切問題なし!
宇多田ヒカル倉木麻衣椎名林檎矢井田瞳というように、本当にそういう音楽がやりたい人と、ビジネスとしてそういう音楽性になる人とでは、どちらが最終的に生き残るのか?

と書かれていた。
まあ、是非はともかくとして、Perfumeは、真似が生まれるほどにビッグになりつつあるのか、と驚いている。
「昨今話題のテクノポップ」ってテクノポップってそんなメジャーなの?
トランスってメジャーになった途端、なんかひどく粗雑な音楽にされてしまった感じがあるので、テクノポップとやらがその二の舞を演じませんように。
後者だが、「族の系譜楽」という本は、森川嘉一郎によると、『サブカルチャー神話解体』以来の傑作らしい。つまり、オタク、ヤンキーなどといった様々なサブカルチャー間の壁を越えたという点で。

月刊 アフタヌーン 2007年 10月号 [雑誌]

月刊 アフタヌーン 2007年 10月号 [雑誌]

*1:今月面白かったのは、必殺シリーズ1とぐだぐだ怪談

*2:藤沢の「特攻」を思い出して

*3:今月で言うと「捨てちまえYEAH!」のチアガールとか

*4:といっても年単位

*5:どんな歌なのかと思った方はこちら(supercar has gone)。もうちょっと詳しく知りたい方は、なぜ俺は「Aira Mitsuki」が気になるのかAira Mitsukiリリイベ@HMV新宿 070810(Aerodynamik - 航空力学)を。で、同じブログの人がPerfume「ポリリズム」解禁 で、やっぱりPerfumeの方がすごいよ、って言ってる