佐藤友哉、王様のブランチ出演

売れない頃からファンだった、アーティストなりアイドルなりが、ブレイクするようになると感じる、誇らしさと悔しさがない交ぜになったような微妙な感じ。
あれに似たものを感じる。
それは、三島賞をとった時から感じていたのだけど、今回は「え、えっと……」という戸惑いがとても大きかった。
りゅーさんの言葉を借りるなら「色気付きやがって」という奴だw
王様のブランチによると、総合ランキングで『灰色のダイエットコカコーラ』が8位だそうだ。
文芸書ランキングではない。総合ランキングだ。総合ランキングというと、『食い逃げされてもバイトは雇うな』とか『紀香魂』とかいう本がランクインしているランキングだ。そこで8位だ。ちなみに6位は『刀語り』だ。
mixi佐藤友哉コミュで、「どんな内容だったか教えてください」という書き込みがあったので、答えた。それをそのまま抜粋する。

1: SAK
冒頭。
インタビュアーの人と待ち合わせ。
「若いですね。大学生と間違われませんか」
学習院のテニス部員って言われることがあります」


『1000の小説とバックベアード』について
「売れてる小説が嫌い」
「本当に人を喜ばせる小説が書きたい」
「音楽や映像やCGがあるから、そう言う面で小説は映画には勝てない」
「(音楽や映画と違ってスタイルが変わっていない(紙に印刷されたものとしては変化がない))小説は一番強固な文化」
「小説が好きだからです」


「(デビュー前)2〜3年ずっと小説だけを書いていた」
「2〜3年というと短いようだが、毎日それだけやっているのは大変」


結婚生活について
(お互いアドバイスなどするのか)
「作家の前に夫婦ですから、あら探しなどはしない」
「普通の感想を言っています」
「お互いに誉めあって、伸び悩まないようにします」


今後の作品について
「恋愛小説を書こうとしている」
「今まで人の心がよく分からなかったが、結婚して少しは普通のことが分かるようになった」


細かい言い回しは違うかもしれませんが、大体こんな感じです。
最年少三島賞受賞者、というのがしきりに強調されていた気がします。

こうして、『1000の小説とバックベアード』も『灰色のダイエットコカコーラ』も、「売れる小説」として消費されていく(のか?)!
三島賞を「最年少で」とったことは今まで全く意識していなかった。三島賞側も、佐藤友哉側も、「最年少」かどうかなどは何も言っていなかったと思うが、テレビではやっぱりそういうことが大事になるのか。
そもそも、今までの主な三島賞受賞者として高橋源一郎堀江敏幸古川日出男をあげていたけど、王様のブランチの視聴者はどれくらいピンとくるんだろうか。


「小説が好きです」って(多少恥ずかしそうに語尾をごまかしていたけど)言っちゃったし
「恋愛小説書く」って言っちゃったし
あぁ、もう複雑な気分だ