高橋源一郎『あ・だ・る・と』

日本文学盛衰史』を既に読んでいると、それの準備段階のような感じがしてしまう。
内面なんてないんだ、チクショーって話だし。
ただ何というかそれを、このスピード感のあるというのか、口語文体でだだーっと書いていっているのはある意味すごいのかも。だだーっと読めてしまうし。
文庫の裏には、何やらあらすじが書いてあって、それにはインドがどうのこうのとか書いてあるのだけど、インドが出てくるのはホントに最後の最後の最後。大体全部で270頁あるうちの240頁あたりで、それまではとにかくずっとAV監督がどんなAVを撮っているかという話が続く。しかしこれは別にAVのルポ的なものでは決してない。不意に、AV業界ってこんななのかなーと思ってしまうけれど、AV業界が本当にこんななのかはどうでもよい。

あ・だ・る・と (集英社文庫)

あ・だ・る・と (集英社文庫)