『現代思想11月号』新連載「人間原理のパラドクス」三浦俊彦

現代思想に、三浦俊彦の連載が始まってるー、ということで立ち読み。
第1回「仮説と証拠の、正しい関係」
TVドラマ「トリック」の第1話に出てきた、山田(仲間由紀恵)が上田(阿部寛)に対して見せた手品を、例としながら、仮説と証拠の関係について説明している。
「仮説は証拠に対して語用論的に独立していなければならない」
仮説は、証拠を説明するためのものだから、意味論的には無論包括している。
しかし、その成立に際しては、語用論的に独立していなければならない。
証拠というのは、仮説が提出される前に、必ずしも出そろっているわけではない。仮説がだされた後に、新しい証拠が探されて出てくることもある。その際、さらに仮説を越えるような証拠が見出される場合もあるだろう。上のテーゼは、そうした証拠による仮説のパワーアップ(実はこの仮説は、これらの証拠についても予言していたのだ)を禁止している。
『現代思想11月号』