『涼宮ハルヒの消失』

やはり、同じ友達から借りて読む。
ハルヒはアニメしか見ていないので、小説の方を読むのは初。
All You Need Is Kill』に似ているなぁ、というのが主な感想。
出た時期もほとんど同じだ(消失の方が4ヶ月だけ早い)。
ただ、ハルヒの方が、なんか作者の悪意のようなものを感じてしまう。

ここで質問だ。キミならどちらを選ぶ? 答えは明らかなはずだろう。それとも俺一人がそう思っているだけか?

しかも、選択のあり方が、過程としては『All You Need Is Kill』と同じなのに、結果は真逆になっている。
7月10日のエントリでは、『サマー/タイム/トラベラー』を青春小説、『涼宮ハルヒの憂鬱』をセカイ系と位置づけたが、やはり同様に『All You Need Is Kill』は青春小説、『涼宮ハルヒの消失』はセカイ系と位置づけることが出来ると思う。
しかも、『最終兵器彼女』や『ほしのこえ』がベタなセカイ系であるなら、明らかにメタなセカイ系であり、それが読みながら感じてしまう「作者の悪意のようなもの」なのだろう。
あくまでも「ようなもの」であって「悪意」と断言できないのは、東が「動物化」を肯定も否定も出来ないのと同じ。メタなセカイ系を肯定も否定もできないから、それへの選択を悪意と断言できるのかどうかもなんともいえない。『きみとぼくの壊れた世界』くらい意図的なら断言できるけど。


タイムトラベルものとしては、特別すごいとは感じがないが、かといって決して悪くはない、くらい。
非常に読みやすいが、物足りない感じがする。
あまりにもスラスラと読める、よく出来たライトノベルであるが故に、一方ではまれない。
既にアニメやらネットやらでハルヒ祭りを見尽くしたせいだからだろうか。
ブギーポップは笑わない』を読んだときのような感覚もないし、さらにいえばアニメ版ハルヒを見ていたときにすら足りない。

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)

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All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

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