いくつか(『ブルースカイ』『批評理論入門』『ファウストVol.6』)

とりあえず、読んだ本のメモ

ブルースカイ

桜庭一樹を初めて読んだ。女性作家の文章を読むのも久しぶりかも。
実は随分前に(11月末)読み終わっていたのだけど。
「少女」をテーマにした3つの物語
少女という存在がいない時代に少女がタイムスリップするとどうなるのか、という話
面白かったんだけど、自分がスキームを持っていないテーマで書かれると途端に何も論じられなくなってしまって、ゆえに読んだ直後はメモっていなかったのだけど、一応読んだ、ということで書いておく

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)

批評理論入門

手にとってみたら、実は1学期に授業で配られたコピーの元本だった。
フランケンシュタイン』をテクストに、小説技巧や様々な批評理論の解説・実践を紹介してくれる、まさに入門書としてぴったりの出来。

批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)

批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)

ファウスト

大体読んだ(あと、上遠野、乙一ユヤタンの『レディ』、「Hな人々」の最後の奴が未読。って「大体」とか言いながら意外と読んでないぞ)
で、とりあえず新伝奇
この手のゲームというのは、全くやったことがなくて、最近Airを始めたんですが
竜騎士Airで共通してもった感想は、「文章が下手だなあ」に尽きます
あと、わざわざファウストで小説を書く必要はなかったのでは?という疑問
奈須に関しても、彼の作品は面白く読めるんですが、電撃とか他のレーベルにあっても違和感がない気がして
舞城、佐藤、西尾とかは、さすがに電撃じゃ無理だろ、だから仕方なくって感じでファウストという雑誌が出来たのだと理解しているので。
もし、電撃などとして読んだのであれば、面白い作品だけど、ファウスト掲載作品としては違和感がある、というのが奈須と竜騎士に対する感想
じゃあ、錦メガネはどうかというと、やっぱり他のレーベルにあっても違和感はないと思うのだけど、上記2作品よりはよかったなぁと感じました
それは単に自分の分析スキームにひっかかったから、ってだけの理由なんですが。
以前、主人公の動機に興味がある、と書きましたが、主人公の動機とはつまり、主人公は何故物語の中で自発的に行動を起こすのか、ということで、行動を起こすというのは、自分と世界とが何らかのアンカーで引っかかっているからです
この錦メガネの『コンパージョン・ブルー』では、自分と世界をつなぐアンカーを外してしまいたいという欲望を肯定しながら、しかし絶対に自分のアンカーを切り離すつもりはないという人物が主人公になっている。ただ、このアンカー、あるいはこの主人公がつながっていると思っている世界はどうにも胡散臭い気がしてならない。というわけで、新伝奇3作品の中では唯一続きが気になった作品でした。
ただ、西尾や佐藤が自意識に囚われまいとして、人間関係のシステムを構築してきたことを考えると、錦作品はいまだに自意識に囚われていて、竜騎士作品はすでに視点が人間関係のシステムの方へ向いている、とも言えそう。
西尾の竹取山は、出演キャラが豪華
批評では福嶋評論が、マンガではウエダハジメが、面白かった
あと広告から、ライトノベル+エレクトロニカっていう謎のCDと、西島大介の新刊が気になってます