2作品とも、頭のいい高校生の無力感とかすかな期待、みたいな話です
そうやってくくっちゃうと、西尾維新も同じようなものになりますね
『赤頭巾ちゃん……』の言葉でいうところの「知性」という奴が、多分あんまりいいことをもたらさないんじゃないかと思いつつ、でも「知性」を持ち続けていたい、というか持ってしまったのだからこれはこれでいいものなのではないか、というか
「知性」と「感情」がぐるぐると混ぜ合わさってどうすればいいのか、と
普段はシニカルにいることも出来るし、「感情」を覆い隠すなんてわけないけど、それじゃあどうしようもないことも分かっている
人を動かし人が動かされるのはつまるところ「感情」であって、それをいかに「知性」においてコントロールするのかあるいはいかに発露させていくのか、というのが複雑な脳神経系を獲得した人間の普遍的な課題なのだと思う
そういう思いこそが単なる青春特有のものだとしても、その普遍性になんら変わりはない
もちろんそれは僕のテーマでもあるわけで、そのせいかどんな文章を書いても大概はこのテーマになってしまうことで、このテーマの普遍性の証明としているのかもしれないけれど
ついでに個人的な話をすると、学問的な興味だけでなく実存的(!)にも身をつまされるところがあって、最近はなかなかそのせいでへこんでいたりもして、『サマー/タイム/トラベラー』を読んで泣きそうになった部分がありました
『サマー/タイム/トラベラー』は結局主人公の卓人に感情移入できるか否かが結構大きいのでしょうが、僕はすっかり感情移入してしまったというわけです
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