『スパイラル〜推理の絆〜』(ガンガン9月号)

注意!ネタバレしてます
最近(この作品の特徴だけど)、話が終わりに向かっているのは分かるんだけど、なんかダラダラした感じだったんですが
今月は、盛り上がりがひとつありました。
ところで、以前僕は(未公開文章の中でですが)、スパイラルに関して以下のように整理したことがありました。

オブジェクトレベルから決してメタレベルへと遡行できない、ブレードチルドレン
メタレベルから垂直的に力を行使するがオブジェクトレベルにいることができない、鳴海清隆
そして、主人公鳴海歩に課せられた役割というのは、二つのレベルを結ぶトリックスター的役割なのではないか
清隆のいう「私のいけない場所」というのはそういうことなのではないのか
そして、盤面に配置されない結崎ひよのは、ニュートラルであるからこそ歩と結ばれないが、一方ニュートラルであるからこそ水平的に力を行使できる

ちなみにこの時書いた文章では、『スパイラル』と「戯言シリーズ」を比較していて、両作品とも今後、神である清隆あるいは西東天が降臨してくるようなので、面白くなりそうだ、などと結んでいました。
結果的にこの整理ははずれた、ということです
今月の展開は、ある程度予想できる範囲内の出来事とは思いますが、ひよのはニュートラルである、という考えに捉われすぎていたのでしょう
あるいは、ひよのという立ち位置がニュートラルというのは、こういう作品ではお約束であるが、スパイラルはこの手のお約束をある程度まで崩すことで成立していたわけですから、当然といえば当然の成り行きだったのでしょう。
(僕がこの作品を気に入っているのは、ひよののお約束をある程度崩したキャラクタにあります。そして、だからこそ彼女はニュートラルでありながら力を行使する存在としてなっていたわけです)
今月、ひよのが清隆による駒の一つだと判明したことで、「盤面に配置されない」などという僕の見込みは外れたわけで、今までのひよのの動きというのも見直さなければならないようです(^^;