哲学

ジョン・パスモア『分析哲学を知るための哲学の小さな学校』

分析哲学の入門書ではあるが、タイトルや装丁からイメージされるような初心者向けの本ではなくて、3冊目以降くらいに読むのがちょうどよさそうな本。 分析哲学について全く知らなくて、一から始めたいというのであれば、 八木沢敬『分析哲学入門』 - logical…

デイヴィッド・ルイス「フィクションの真理」(樋口えり子訳)

以前読んだグレゴリー・カリー『フィクションの性質』("THE NATURE OF FICTION")第2章 - logical cypher scapeで、ルイス説についてまとめられていたけど、まあ当たり前だけど、大体同じだった。 マイノング主義ではうまくいかないことがあるので、「然々の…

科学基礎論学会WS「現実とフィクションの相互作用」「意識のハードプロブレムは解決されたか」科学哲学会WS「心の哲学と美学の接続点」

今月は2つ学会に行って、3つWSを聞いてきたので、簡単にメモ 科学基礎論学会秋の研究例会は、11月7日に東大駒場キャンパスで 日本科学哲学会は、11月21日・22日に首都大学東京で開催 科学基礎論学会WS「現実とフィクションの相互作用」 松本大輝「虚構的情動…

アポストロス・ドクシアディス、クリストス・パパデミトリウ『ロジ・コミックス』

サブタイトルは「ラッセルとめぐる論理哲学入門」 バートランド・ラッセルの半生を描くグラフィックノベル 著者の名前として、記事タイトルには、アポストロス・ドクシアディスとクリストス・パパデミトリウの名前を挙げたが、作画として、アレコス・パパダ…

吉川浩満『理不尽な進化』

進化論についての言説史的な(?)エッセー(?)。どういう本なのか一言で説明するのはちょっと難しいが、「何故非専門家は進化論について誤解するのか」「何故グールドは混乱した議論を展開したのか」という問いをたて、非専門家やグールドがアホだからと…

グレゴリー・カリー『フィクションの本性』("THE NATURE OF FICTION")第5章

フィクションとは、作者が読者にごっこ遊びさせる意図で作られたものであり、フィクションの内容を解釈するとは虚構的な作者の信念を解釈することである、というカリーの主張をもとにしたフィクションの哲学の本 5章で最後となる。 グレゴリー・カリー『フィ…

グレゴリー・カリー『フィクションの本性』("THE NATURE OF FICTION")第4章

グレゴリー・カリー『フィクションの性質』("THE NATURE OF FICTION")第1章 - logical cypher scape グレゴリー・カリー『フィクションの性質』("THE NATURE OF FICTION")第2章 - logical cypher scape グレゴリー・カリー『フィクションの性質』("THE NATU…

グレゴリー・カリー『フィクションの性質』("THE NATURE OF FICTION")第3章

グレゴリー・カリー『フィクションの性質』("THE NATURE OF FICTION")第1章 - logical cypher scape グレゴリー・カリー『フィクションの性質』("THE NATURE OF FICTION")第2章 - logical cypher scapeの続き Chapter3. Interpretation 3.1. Relationalism …

グレゴリー・カリー『フィクションの性質』("THE NATURE OF FICTION")第2章

グレゴリー・カリー『フィクションの性質』("THE NATURE OF FICTION")第1章 - logical cypher scapeの続き Chapter2. The Structure of Stories 2.1. Truth in fiction and fictional worlds 2.2. Being fictional 2.3. Lewis's theory 2.4. More on make-b…

グレゴリー・カリー『フィクションの性質』("THE NATURE OF FICTION")第1章

ウォルトンのKendall L. Walton "Mimesis as Make-Believe :On the Foundations of the Representational Arts" - logical cypher scapeに引き続き*1、分析美学のフィクション論の本 まだ読んでいる途中で、とりあえず第1章の部分について 1990年初版、…

デイヴィッド・ルイス『反事実的条件法』

様相論理を用いて反事実的条件法を分析し、また様相実在論についても主張している本。 難しいと聞いていたので今まで敬遠していたが、いよいよ手に取ってみた。しかし噂に違わず難しかったので、かなり飛ばし読み。内容についてはあまり分からなかったが、と…

グレアム・プリースト『論理学』

岩波の「1冊でわかる」シリーズの奴。再読。一冊丸々じゃなくて、8割くらいの再読。 前半演繹、後半帰納。 神の存在証明の話とかちょくちょく出てくる 1 妥当性 2 真理関数 3 名前と量化表現 4 記述と存在 5 自己言及 6 必然性と可能性 7 条件文 8 …

植原亮『実在論と知識の自然化』

サブタイトルは、「自然種の一般理論とその応用」 自然種についての実在論の議論と認識論の自然化について書かれた博論の書籍化。 三部構成になっており、一部は自然種の一般理論、第二部はその応用で、生物種の存在論と人工物の存在論について、第三部は認…

八木沢敬『神から可能世界へ 分析哲学入門上級編』

分析哲学入門シリーズ、いよいよ上級編 八木沢敬『分析哲学入門』 - logical cypher scape 八木沢敬『意味・真理・存在 分析哲学入門中級編』 - logical cypher scape アンセルムスによる神の存在証明を分析哲学の観点から論ずるという形をとっており、帯や…

ラプラス『確率の哲学的試論』(内井惣七訳)

最近、科学哲学の本を読んでいて、やはり確率大事だなと思ったのと、戸田山『哲学入門』の参考文献で、訳者解説が確率の哲学入門となっていると紹介されていたので、読んだ。 ラプラスの書いた本編が160ページくらい、訳者解説が70ページくらいあるので、訳…

N.R.ハンソン『科学的発見のパターン』

ハンソンというと、観察の理論負荷性であり、この本でもそれについて扱っているわけだが、逆に言うとそれしか知らなかった。 科学哲学の入門書とか教科書とかを読めば、必ず名前が出てくるけれど、クワイン=デュエムのテーゼとクーンのパラダイム転換との間…

哲学書リスト

春秋社の現代哲学への招待シリーズ、はてどれくらい読んだのだろうかと気になったので、リストアップしてみることにした。 春秋社 現代哲学への招待 哲学者は何を考えているのか (現代哲学への招待Basics)作者: ジュリアンバジーニ,ジェレミースタンルーム,J…

アレックス・ローゼンバーグ『科学哲学』

科学哲学はやはり面白いなあ 科学哲学の面白さは、問題意識が哲学の中では比較的分かりやすい点にあるのではないか。 分析哲学の入門書を読むと、普通は、フレーゲの明けの明星と宵の明星がどうの、という話から始まる。あれは面白いけれど、最初に突然読ま…

戸田山和久『哲学入門』

「意味」とか「表象」とか「自由」とかいったような、あるのかないのかはっきりしないけどあると思われるものを、物理的世界像の中に位置づけようという、いわゆる自然主義・自然化プログラムの本 あるのかないのかはっきりしないけどあると思われるもの*1を…

エリオット・ソーバー『過去を復元する』三中信宏訳

難しかったので、途中で読むのを断念した……orz サブタイトルは「最節約原理,進化論,推論」 生物学哲学の本だが、科学哲学、生物体系学、統計学がある程度分かっていることが前提で、統計学の話がばかすか出てきたあたりで挫折 この本は、生物体系学の論争…

デイヴィッド・M・アームストロング『現代普遍論争入門』(秋葉剛史訳)

普遍についての現代形而上学の入門書 普遍論争というと中世スコラ哲学が連想されるだろうが、現代の哲学においてもなお論争の続いているトピックである。 普遍についての問いというのは、「トークンa、b、c……が同じタイプFであるとはどういうことか」という…

『ワードマップ現代形而上学』鈴木生郎・秋葉剛史・谷川卓・倉田剛

ついに出た! 日本語による現代形而上学の入門書! 日本語で読める現代形而上学の入門書としては、既にアール・コニー+セオドア・サイダー『形而上学レッスン――存在・時間・自由をめぐる哲学ガイド』 - logical cypher scapeがあり、内容には一部重複すると…

セオドア・サイダー『四次元主義の哲学』(中山康雄監訳、小山虎、齊藤暢人、鈴木生郎訳)

内井惣七『空間の謎・時間の謎』 - logical cypher scape、大栗博司『大栗先生の超弦理論入門』 - logical cypher scapeと読んできたので、時間関係の本をもう少し読もうかと思って、手に取ってみた。とはいえ、先に挙げた2冊とはかなり毛色の違う本。 サブ…

内井惣七『空間の謎・時間の謎』

Ucci Leipuccini, Monadology, Information, and Physics - Togetterを読んで、内井惣七がまたライプニッツの本を準備していると知ったので、再読してみた。 件のtogetterでは、ライプニッツの情報理論的な側面の話をしているが、本書では最後に、情報理論に…

柏端達也『自己欺瞞と自己犠牲』

5年前くらいから読みたいと思っていて、ようやく読めた本w サブタイトルは「非合理性の哲学入門」 行為の哲学に属する話で、非合理な行為に思われる「自己欺瞞」と「自己犠牲」について分析を試みる。 非合理というのは、「何故それをやったのか」という問…

古田徹也『それは私がしたことなのか 行為の哲学入門』

基礎的な、行為の哲学がそもそも何かとか基本用語の説明から始まり、専門的にはしすぎないものの、どのような議論がなされていたのかをなぞり、この分野で著名な哲学者の主張についてもおさえつつ、最終的には筆者自身のテーマの筆者なりの議論を展開すると…

金森修『動物に魂はあるのか』

17,8世紀のフランス思想史を、動物霊魂論という観点から紐解く本*1。 デカルトの動物機械論、つまり動物はただの物質に過ぎず、言うなれば機械仕掛けで動いているようなものなので精神はないという考えに対して巻き起こった様々な反応、とでも言えばいい…

『言語哲学重要論文集』

八木沢敬『意味・真理・存在 分析哲学入門中級編』 - logical cypher scapeを読んだ勢いで読んだ 八木沢本を先に読んでてよかった。 第一部 言語哲学の誕生 フレーゲ「意義と意味について」(野本和幸訳) 言わずとしれた超有名論文。1892年。 改めて、…

八木沢敬『意味・真理・存在 分析哲学入門中級編』

八木沢敬『分析哲学入門』 - logical cypher scapeの続編である(前作を読んでないと分からないという部分はなく、全く別の著作として読んでも問題ない)。 ぐっと内容の濃度が上がっていて、なるほど中級編だという感じ。 すごい色々と勉強になり、そういう…

ネルソン・グッドマン/C.Z.エルギン『記号主義』

サブタイトルは「哲学の新たな構想」で、原題のReconceptions in Philosohy and Other Arts and Sciencesの訳 序文で、科学と芸術あるいは認知と感情の二元論を脱却して、新しい哲学を打ち立てるというような宣言がなされる。 さて、実はこうしたグッドマン…