フィクション論

『物語の(無)根拠』第6章

『物語の(無)根拠』目次 第6章 インターフィクション 第三のメタフィクション 連続体と無限 連続体からの分節化 自己言及 フラクタル的――メタを志向しない構造 不完全な対称構造――各章をゆるやかに繋げる(1) 転送――各章をゆるやかに繋げる(2) イン…

『物語の(無)根拠』第5章

『物語の(無)根拠』目次 第5章 核兵器の行方 『ミステリアスセッティング』の依存的な妄想 爆発するミステリアスセッティング 核兵器とアメリカ 核兵器とフィクション メイクビリーブとメタフィクション 少し前、文学に関する「評論」と「研究」を以下の…

『物語の(無)根拠』第4章

『物語の(無)根拠』 第4章 「1000の小説」と「文字の海」 脳内妹の不在 《言語》 小説を書くことというカルヴィニズム 物語の「制度」としての「文字の海」 オートポイエーシス・システムと「文字の海」 上位【メタ】の視点からシステム内部の視点へ …

『物語の(無)根拠』第3章

これからおそらく毎週月曜日が、『物語の(無)根拠』の日になるかと。 年内には終わりますね。 物語の(無)根拠 第3章 不自由な佐藤友哉 操りの問題 作者の転落 「言語ゲーム」と「規則に従う」 『クリスマス・テロル』から「世界の終わりの終わり」へ ミ…

『物語の(無)根拠』第2章

『物語の(無)根拠』目次 第二章 メタ物語から物語へ 選択の根拠 物質か精神か 量子力学と自由意志 選択と喪失――ゲーム的リアリズム 自由で責任を持つ主体 非日常と日常を巡るサブカルチャー史 責任の不可能性と時間の暴力 第一章で論じられた「物語の自律…

『物語の(無)根拠』第1章

『物語の(無)根拠』第一章html版を公開する。 『物語の(無)根拠』html版公開に関して 基本的に僕の活動範囲はweb上であって、僕の文章を読んでくれる人がいたり、あーだこーだと意見を交わすことのできる場というのもweb上にある。 というわけで、自分の…

「現前性」について

「リアリズムとリアリティ」のつづき。 リアリティという言葉を、伊藤剛にならって、「現前性」と「もっともらしさ」に分類した。 大抵、リアリティという語が使われるときは、「もっともらしさ」についてのことが多いが、フィクションについて考察するので…

リアリズムとリアリティ

正直、早くPCの電源切って本読みながら寝たい気分なんだけど、 「3つのリアリズム」(らいたーずのーと)を読んだら、そうも言っていられなくなった。 まず、リアリズムとリアリティという言葉を区別したいと思う。 リアリズム、というのは、リアルに描くこ…

複数性を束ねるもの

前回のエントリでは、「波状言論号外4号」を、「何だ、この「キャラクターズ」とかいう小説は?」で一蹴したのだけれど、まあちょっと真面目に受け止めてみる。 偉そうなことを言うならば、東浩紀と自分の対立点がもしかしたら見えてきたかもしれないのだ。…

最近のこと色々(SIGHTとか夏の100冊とか)

東浩紀と筒井康隆の対談(『群像7月号』) これ、あまり期待しないで読んだら、よかった。 ぎゅうっと濃縮されている感じがする。 他の文学史とも繋がってるんだよ、っていうのはよかったと思う。 しかし、結局文学について素養がないと全然分からない、困…

古川日出男×向井秀徳

こ、これは、ヤバイ……!! 自分の語彙の少なさを恨むが、しかしヤバイとしか言いようがない…… 今年の5月に、渋谷で行われた古川日出男と向井秀徳のライブが、スペースシャワーTVのWEBサイトで公開されている。 このライブには本当に行きたかったのだが、瞬…

『現代アートの哲学』西村清和

美学、芸術学についての本。 去年とっていた芸術学の授業や、今年取っている現代美術論という授業と絡み合って、なかなか面白かった。 まず、この本では、何故「芸術」という言葉ではなく「アート」という言葉を使っているのか。 「芸術」という言葉には、ど…

著作権と「キャラ」

mixiニュースで何やら著作権の話が出ていて、それに反応したマイミクの日記に対する自分のコメントを抜粋。 元のニュースとはもはや関係がないので、元のニュースのソースは割愛。 「創作としての模倣」の話は、創作論としては全くもってその通りだと思うけ…

虚構実在論に対していくつか

三浦俊彦『虚構世界の存在論』を読んで、いくつか今考えていること。 基本的に、小説のことしか扱われていなかったけど、マンガ、映画、演劇などに同様に適用可能だろうか。 三浦が最後に展開する、現象主義=一世界説すなわち虚構実在論は、厳密に一つの作…

三浦俊彦『虚構世界の存在論』

分析哲学のアプローチによる虚構世界論。 と言われたところで、ほとんどの人には何のことかさっぱり分からないだろうが、問題設定自体はそれほど難しくない。 哲学には分析哲学と呼ばれるジャンルがある。 このジャンルは、もともと言語哲学というところから…

「存在するとは物語られることである」

この前、図書館の雑誌コーナーをふらふらとしていた。 普通に『新潮』だの『群像』だのを読もうと思っていたのだけど、図書館の雑誌コーナーを眺めていると、この世の中にはこんなにも沢山の雑誌があるのかと改めて思った。 図書館だと普通の本屋には置いて…

総合フィクション学

京都大学人文科学研究所とかいうところで「虚構と擬制」というテーマで共同研究しているチームがあるらしい*1。 虚構と擬制共同研究班home ここでは、「総合フィクション学(General Fictology)とでも呼ぶべきディシプリンの構築をめざ」しているらしい。 …

『ユリイカ11月号』特別掲載「フィクションは何処へゆくのか 固有名とキャラクターをめぐって」

東浩紀、桜坂洋、新城カズマの鼎談。 ギートステイトハンドブックに収録された「SFとライトノベルの未来」の続編。 2つのリアリズム 大塚英志によって提示された「自然主義的リアリズム」と「まんが・アニメ的リアリズム」を取り上げることによって、東はラ…

フィクションにとって重要なのは、世界か表現か

「言葉は可能世界を創るか?」(三浦俊彦インタビュー) この中で、テキストを解釈する上での3つの立場が出てくる。すなわち、ニヒリズム、相対主義、リアリズム。 ここで出されるのは「三四郎の祖母の血液型は何型か?」というもの。 血液型はどれか一つに…

ギートステイトハンドブック他メモ

ギートステイトハンドブックの通販が始まったので、買った。 色々と面白そうなアイデアはちらちらあるけど、まだ断片的なのでなんとも。 ちょっと気になったことをいくつか。 「技術と欲望の相互作用」(東、桜坂、新城鼎談より) 欲望がないと技術は進まな…

記憶・共有

少し前の先輩とのメッセ 『心の起源』という本をパラパラと再読 「InterCommunication」No.56の「貨幣・法人・バザール」「コミュニケーションの連鎖としての組織と社会」を読んで 心が生まれることにとって記憶が重要 記憶の誕生→時空・論理などが生まれる…