2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

アリステア・マクラウド『彼方なる歌に耳を澄ませよ』(中野恵津子・訳)

カナダ東部を舞台としたファミリーサーガ 物語の舞台は1990年代後半で、主人公は、18世紀にスコットランドのハイランド地方からカナダのケープ・ブレトン島へ移民してきた男の子孫であり、自らの半生と一族について物語っていく。 カナダというのは何となく…

フリオ・コルタサル『悪魔の涎・追い求める男他八篇』(木村榮一・訳)

タイトルにあるとおり、10篇を収録した短編集 日本オリジナル短編集っぽくて、『動物寓話譚』『遊戯の終わり』『秘密の武器』『すべての火は火』といった短編集から、いくつかずつ採って編まれたもののようである。なお、これらの短編集もそれぞれ翻訳されて…

伊坂幸太郎編『小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇』

伊坂幸太郎が、自分の好きな小説でドリームチームを組んだという短編アンソロジー 自分は先に伊坂幸太郎編『小説の惑星 オーシャンラズベリー篇』 - logical cypher scape2を読んだが、どちらから先に読めばよいとかいうことはないので、このちょっと不思議…

伊坂幸太郎編『小説の惑星 オーシャンラズベリー篇』

伊坂幸太郎が、自分の好きな小説でドリームチームを組んだという短編アンソロジー 自分は伊坂幸太郎をほとんど読んだことがない(『死神の精度』と阿部和重との共著である『キャプテンサンダーボルト』くらい)が、収録されている作家を見て気になったので読…

『思想2023年1月号(ウィトゲンシュタイン――『哲学探究』への道)』

ウィトゲンシュタインについて、全然読んでいるわけではないけれど、雑誌で特集とかあるとつい気になって手にとってしまう。 鬼界訳『哲学探究』は、半分くらいまで読んだところで止まっている……(この『思想』を読みながら、少しだけ『探求』も読み進めたが…

ミハイル・A・ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』(水野忠夫・訳)

ソ連時代のモスクワを舞台に、悪魔たちが大暴れする話 今現在、個人的に海外文学読むぞ期間を実施中で、この期間に入ってから度々「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」に言及しているけれども、その収録作品の中でも人気の高い作品らしいので、手を取った。 …