2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

木原善彦『実験する小説たち』

アメリカ文学研究者で翻訳者である筆者が、主に20世紀後半以降に書かれた実験小説を色々紹介してくれる本。 今、海外文学読むぞ期間を個人的に展開中だけれど、それのガイドになればなあと思って。それ以前から気になっていた本ではあるけれど。 どういう手…

『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』

東京宝塚劇場での宝塚星組公演を見てきた。 原作が並木陽『斜陽の国のルスダン』といい、何を隠そう、学生時代の先輩が書いた小説なのだ。 知り合いの書いた作品が宝塚で舞台化される、という得がたい経験をしてきたわけで、開幕の際の影ナレで原作者の名前…

『日経サイエンス2023年2月号』『Newton2023年2月号』

日経サイエンス2023年2月号 日経サイエンス2023年2月号 [雑誌]日経サイエンスAmazon SCOPE 不要なシナプスを”食べて”整理 グリア細胞がシナプスを食べることによって、記憶定着に一役買っているという話 また、精神病理との関係も ADVANCES 軟組織が化石にな…

津原泰水『ブラバン』(再読)

作者が2022年10月2日に亡くなったのを受けて、再読した。 受けて、というにはちょっと時間が経ちすぎた感じもするが。 追悼というのもなんか変な感じである。 再読したのは亡くなったことがきっかけだが、読んでいる最終は、この作者が最近亡くなったのだ…

『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 短編コレクション1』

海外文学読むぞ期間実施中。いよいよ「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」へ突入 とりあえず短編アンソロジーから読む。 この「短編コレクション」は1と2があり、1は南北アメリカ、アジア、アフリカの作家、2はヨーロッパの作家から作品が採られている。 …

山口輝臣・福家崇洋編『思想史講義【戦前昭和篇】』

山口輝臣・福家崇洋編『思想史講義【大正篇】』 - logical cypher scape2に引き続き、今度は戦前昭和篇 もともと日本思想史とか全然だったので、大正篇も知らないことが多くて勉強になったところではあるが、とはいえ、大正篇は、自分の従来持っていた日本史…

藤野可織『ピエタとトランジ』

身近な人の死を引き寄せてしまう体質の名探偵トランジと、彼女の友人で何故かトランジと一緒にいても死なないピエタの友情ないしシスターフッドを描いた物語。 元々、短編(藤野可織『おはなしして子ちゃん』 - logical cypher scape2収録)として書かれた作品…

イタロ・カルヴィーノ『レ・コスミコミケ』(米川良夫・訳)

Qfwfq老人が、宇宙創成や恒星の誕生の頃、あるいは自分が恐龍だった時代や陸上生活を始めた頃の脊椎動物だった時代を語った物語を集めた連作短編集 「自分が恐龍だった」とか何やねんという話だが、実際Qfwfqが「わしは恐龍だった」云々と語っているのであり…

ウィリアム・フォークナー『エミリーに薔薇を』(高橋正雄・訳)

フォークナーの短編集 ウィリアム・フォークナー『アブサロム、アブサロム!』(藤平育子・訳) - logical cypher scape2は面白かったものの、文体が文体なだけに、フォークナーを続けて読む気はなかったのだが、他のフォークナー作品をぱらぱらっと見てみた…