2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

月村了衛『機龍警察狼眼殺手』

機龍警察シリーズ長編第5弾 ミステリマガジンでの連載をまとめ加筆修正したもの。 疑獄事件と連続殺人事件を異例の合同捜査態勢を追うも、正体不明の殺し屋「狼眼殺手」に捜査本部は翻弄される。物語の核心と日本の闇に迫る巨大な事件が次第に姿を現していく…

D・ルイス『世界の複数性について』(出口康夫監訳、佐金 武・小山 虎・海田大輔・山口 尚 訳)

様相実在論についての本 D.ルイスの本は、以前、デイヴィッド・ルイス『反事実的条件法』 - logical cypher scapeも読んだ 『フィクションは重なり合う』の構想段階で、タイトル案として『虚構世界の複数性について』というものも考えていたので、やはり読ま…

弱肉強食うんたら

弱者を抹殺する。不謹慎な質問ですが、疑問に思ったのでお答え頂けれ... - Yahoo!知恵袋 2011年の知恵袋なのだけど、ここ数年の間、まとめサイト的なニュースサイト的なものに拾われて目にすることが、何度かあったので、気になっている。 「この回答が秀逸…

「ベルギー奇想の系譜」展

Bunkamuraザ・ミュージアム 1 15-17世紀のフランドル美術 ボスを売りにした展覧会だったが、ほとんどは、ボスの死後に起きたボス・リバイバルの中で描かれたボス・フォロワーによる作品 ポスターなどに使われている《トゥヌクダルスの幻視》のみボスの作品 …

S.E.P.「Depiction描写」

Depiction (Stanford Encyclopedia of Philosophy) 1. Resemblance Theories of Depiction 1.1 Resemblance and its Critics 1.2 Recent Resemblance Theories 2. Conventionalist Theories of Depiction 3. Psychological Theories of Depiction 3.1 Experi…

宮内悠介『あとは野となれ大和撫子』

中央アジアの架空の国アラルスタンを舞台に、若き女性たちが一夜にして臨時政府を樹立せざるを得なくなった顛末を描く物語 アラルスタンの設定がよくできていて、それで勝ったも同然という感じ 物語も一気に読み進めることができて、終始面白かった 前半と後…

『日経サイエンス2017年10月号』

若冲、特に興味ないしなあと思ってスルーしてたんだけど、宣伝ツイいくつか読んでたら、いくつか興味ありそうな話題かもしれないと思いなおし、眺めてみたら面白かった。 若冲、ボヤジアン星、地衣類の3つ日経サイエンス 2017年10月号出版社/メーカー: 日本…

オキシタケヒコ『筺底のエルピス5-迷い子たちの一歩-』

壮絶なる幕引きを迎えた4巻からおよそ1年あまりを経て刊行された、続刊たる5巻 絶望的な状況からの再起を描く 筆者曰く、ここから後半が始まるとのこと。今後、物語の根幹に関わる謎へと迫っていくことになるのかもしれない。 それにしても、毎度のこと思…

藤川直也『名前に何の意味があるのか 固有名の哲学』

固有名について、それがどのように指示を行っているかの哲学的説明と、「その意味は指示対象に尽きる」というミル的な立場から、ミル説への反論として持ち出される問題について解決を図る本。 固有名の哲学というと、ラッセルの記述説とクリプキの直接指示説…