2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

友人のデビュー作

友人である秋梨がケータイ小説文庫よりデビューしました。 『キミが教えてくれたこと』というタイトルで、第3回ケータイ小説大賞ジャンル賞を受賞した表題作*1と、「さみしさを追いかけて」という2篇が収録されてます。 ちなみに、以前筑波批評で彼にイン…

アントニオ・ダマシオ『感じる脳』

これは面白かった! 感情とは一体何かということについて、かなり踏み込んで仮説を構築している感じがする。 具体的な部分について、まだ分かっていないところがあるとも言っているが、大まかなアウトラインはできている。 何よりも、感情とは内部状態につい…

『新潮』

『新潮』読んだ。佐藤友哉、川上未映子(太宰治特集創作)、東浩紀(『ファントム、クォンタム』) ファントム、クォンタムは次回完結らしい。不定期連載なので、前の回など色々忘れているけど、それでも面白い。単行本出たら、まとめて一気に読みたいと思う…

ポール・オースター『ムーン・パレス』

フォッグが、伯父の死を一つのきっかけとして生活を放棄し、セントラル・パークでホームレスとなって餓死寸前のところまでいく。その後、友人に助け出され、老人の話相手のバイトを始める。そして、一度死んだという彼の半生を聞くことになる。彼の「死後」…

泉信行『漫画をめくる冒険』下巻

これまた、非常に面白く、また色々と示唆に富む本。 とりわけ、下巻の序で言われている「詠む」という概念の提起は素晴らしいと思った。これは自分のフィクション論にも適用していくことができそうだ。 非常に細かい、技術的な話を論じているようにも思える…

『美術手帖7月号』

特集がアウトサイダーアートだった。 アウトサイダーアートというと、ダーガーとシュヴァルくらいし知らなかったが、代表的な作家が10人くらい紹介されていて、さらにプラスして他の作家や日本の作家も紹介されていた。ので、ガイド的には非常によい感じだ…

稲葉振一郎『増補 経済学という教養』

貨幣的ケインジアンの立場に立って、日本の左翼のとるべき(?)経済政策について勉強する本。 『「公共性」論』と同じく、ブックガイドともなっており、稲葉流に論点がまとめられていて勉強のためになる。 日本の「構造改革主義」と「新自由主義」ないし「…

立ち読み(『ゲーラボ』『文學界』ほか)

ゲーラボ 斎藤環は、栗本薫の話をマクラに腐女子ネタ。アフタヌーン新書の腐女子本でdisられていたらしいので、それへの反論をしつつ、腐女子のことを語るのってほんとに難しいよねって話と、「関係としての化学」では腐女子視点で中上健次とかを評論したか…

またリコメンドに釣られて

ネクストバトルズとか書いてあるから。THREE TRAPPED TIGERSアーティスト: THREE TRAPPED TIGERS出版社/メーカー: KLEE / RALLYE発売日: 2009/05/13メディア: CDこの商品を含むブログ (1件) を見る ポストロック - logical cypher scape battlesと近いといっ…

ウエルベック『素粒子』

面白かったともつまらなかったとも言えるけれど、6:4でつまらなかったかもしれない。 ところどころ面白いところがあるのだけれど、全体を通して「キター」となることはなかった。 ブリュノとミシェルという異父兄弟の話。天才生化学者であるミシェルは、…

『国文学増刊 2009年6月号』『すばる6月号』『群像7月号』

国文学増刊 特集「小説はどこへ行くのか 2009」 病/鹿島田真希 豊穣の角/円城塔 [鼎談] 岡田利規、鴻巣友季子、福永信 「船は波を切って進む」 『アクロバット前夜』の話から始まる。段組をするのはデザイナーであって自分たちじゃないというところ…

『思想』2009年第5号

特集「『思想の科学』の原点をめぐって」 〈インタヴュー〉『思想の科学』の原点をめぐって──鶴見俊輔氏に聞く── 聞き手:藤野寛、伊勢田哲治 これは、初期のアメリカ哲学の輸入者としての鶴見の功績を探ろうとする藤野、伊勢田に対して、鶴見がこうなんだか…

思想地図vol.3

安藤馨「アーキテクチュアと自由」(『思想地図vol.3』) 読んだ。面白い! 彼の立場や結論には必ずしも首肯しないが、議論のやり方や文体がとても 好み 分析哲学的(というか、メタ倫理学の方法論を汲んでるんだろうが )で、明晰な感じがする こういうのは読ん…